放置部屋 | ナノ


始解する必要もない




「――な、なんなんすかこの化け物っ!?」


黒い癖毛の男…切原赤也の叫びにテニス部のレギュラーは息を呑みながら皆そう思っていた


「ほぅ?俺様が見えているか…これは喰い涯がありそうだ」

「っ!!?」


今まで出会ったことのない恐怖にどうすればいいかわからない彼ら


「破道の三十三 蒼火墜!」


そんな彼らを守るように澪は鬼道を放ちながら立ち塞がった


「お前っ」

「冬白…!?」

「…まぁこれが見えるのなら私の姿も見えるのは当然か」

「お前は一体…」

「話はこいつを倒した後でね」


そう言ったところで中級大虚が苛立ったように私を睨みつける


「貴様…死神か」

「ええ」

「ふん、死神風情が俺様を倒せるモノか…餌が増えただけよっ!!!」


そう言って襲い掛かってくる虚に私はため息をついて斬魄刀を抜いた


「なっ…!?」


攻撃を受け止められたことが信じられなかったのか一瞬身を固めた 
そこに切り込もうとしたが我に返ったのか後ろに下がった


「貴様…限定解除するには時間がかかるはず!」

「あれ、そんな事知ってるんだ?でも残念だったね」


私は微笑みながら斬魄刀の先を向けた


「私は規格外でね、限定霊印は押されないの…更に私は五番隊第三席副官補佐、この意味わかる?」


そう言うと狂ったように叫んで再び向かってくる


「中級大虚でも…貴方みたいな弱い方の奴には始解する意味もない」

「ッギャアアアアアアアアアアアア!!!」


その声を最後に虚は消えていった
それを見届けて私は小さく息を吐く


「断末魔うるさ…」


私は一度斬魄刀を一振りしてから鞘に戻した


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