放置部屋 | ナノ


全力で少女漫画





「『竜崎奈々緒です 登録よろしくお願いします、はい』・・・っはぁ・・・やっと送れた…!」



この短文を送るために余裕で三十分かかった、別れたのが6時で電車に乗ったのが7時で今は7時半
何処に行っていたのやら私より疲れていたばーちゃんは早くもご就寝である


「って・・・!嘘でしょ」


送ったかと思ったら数分後に電話がかかってきた、メールじゃなくて電話!!

仕方なく丁度人が来ないであろう入口の所に向かった


「も、もしもし…!」

「何焦ってんねん」

「いや、メールで返事返ってくるだろうと思って」

「…声聞きたなったんやからしゃーないやろ」

「ぇ、ぁ」

「・・・」


今の言葉は壮絶にヤバかった、電話だから耳元でダイレクトにあの低音美声が響く訳で
それでいきなり声聞きたかったなんて耳が幸せで死ねる、つまりは今日彼は何回私を殺す気なんだろうか


「奈々緒」

「ははは、はいぃ!」

「テンパるなアホ」

「アホじゃない!」

「はいはい」


くそ、完璧に私の事見下してやがるぜんざい野郎め


「んで奈々緒」

「何?」

「暫く会えんからて浮気すんなや」

「し、しないし!」

「中学は無理やろうけど、高校は同じ所にすんで」

「随分先のお話を…嬉しいけど」


あ、心の声の嬉しいけどをさらっと言ってしまったじゃないか!
なんて後悔してたら奈々緒、と名前を呼ぶ声が聞こえてきて


「何、」

「奈々緒が中学入ったら、またちゃんと会う機会があったら言うことあんねん」

「う、うん…」

「当然奈々緒の答えももう決まってるやろうけど、これはちゃんと会って言いたいねん」

「うん…待ってる」


それをさっき言わなかったのはもしかして
私に対する良く分からない宣戦布告ととってもよろしいのでしょうか

それにしたってこのままお互いが会いに行かなければ会えるのは全国大会の時、後一年ある・・・長いなぁ

少しだけ、ほんの少しだけ鬱になった



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