戻った彼と帰ってきた私
「ふみゃっ」
一時間目が終わって早々屋上に引っ張られてきたかと思うと思い切り抱きしめられた
一ヶ月前とは違って男の子に戻って居た彼、今は抱きつくという表現は難しくなった
前は抱きつくという表現が正しかったのだが、今は…凄く包容力があって、前以上に安心する
「奈々緒…おかえり」
「ん、ただいま…すっごく会いたかった」
「俺もや、奈々緒が足りなくて死ぬかと思ったわ」
「死んじゃ駄目だよ、私寂しいからね」
「あほ、思っただけや。奈々緒置いて死ねるか」
そんなやり取りをしてる間もずっと抱きしめあってる
まだ足りない、
そう思ったのは彼も同じだったのか見上げると自然と目が合いどちらともなく口付けをかわす
「ん、んぅ…」
今まで会っていなかった分を埋めるかのように深く、今まで以上に長く激しい口付けだった
「ふ、ぁ…ん」
酸欠で足が震えて崩れそうになったと同時に唇が離れた…繋がった唾液がなんかエロい
離されたけどまだ力が入らなくてほぼ光に抱きしめられて立ってる状態だった
「もう離さんから…一生傍におってや」
「うん…ずっと光と一緒にいるよ」
愛しくて、愛が溢れて仕方がなくて、
鐘が鳴るギリギリまで私達は屋上でお互いに触れていた
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