財前一家
「光、奈々緒ちゃんいつお嫁さんに来るん?」
「なっ…!あの!」
「照れちゃってまぁかわええなぁー光、お姉ちゃんも奈々緒ちゃん妹に欲しいわ」
現在進行形で私は財前家の夕食に招待されているんですが…なんか光ママと姉様に嫁だの妹だの言われてます
「俺も奈々緒ちゃん妹に欲しい、翼も奈々緒ちゃん好きだろ?」
「うん!奈々緒お姉ちゃん好き!」
…兄様と甥っ子ちゃんにもそんな事を言われました
「オカン達気が早いねん、大学行くまでまてや」
……嬉しいけど、私が嫁ぐことは決定事項らしいです
ほんと嬉しいけど何でこんな流れになってるの?
「奈々緒?」
何も言わない私が気になったのか光が顔を覗き込んできた
「…展開が早すぎてついていけないです、はい」
「もー!奈々緒ちゃんほんまかわええ!」
姉様のつぼに入ったのか頬を手で覆ってきゃっと言っている、あなたの方が全然可愛いんですけどと言いたい
「奈々緒ちゃん、私の事はお姉ちゃんって呼んでね!」
「あ、ずるいでみゆ!奈々緒ちゃん、俺もお兄ちゃんて呼んでな!」
凄い勢いで2人に言われたから思わず戸惑ったけど一人っ子の私は上の兄弟が欲しかったため逆に嬉しい申し出だった
「お兄ちゃん、お姉ちゃん?」
確かめるように首を傾げると2人はキャッキャとお互いの顔を見てはしゃぐ…仲いいな流石夫婦
「奈々緒ちゃん、私の事もお母さんって呼んでいいのよ!」
「オカンまで流れに乗りすぎやろ」
「えー」
「えーやないやろ、年考えろや」
「まぁまぁ、お母さんこれからもお世話になりますね」
「お姉ちゃん僕は!?」
「もちろん翼くんもよろしくね」
「うん!」
なんだろう、凄い温かい家庭だなぁと思わず微笑む
「…自分ちだと思ってええからな、あんま遠慮するんやないで」
「光…ありがとね」
どうしよう、この人達、凄い大好きだ
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