苦悩
「ッはぁ…」
ついに、財前くんが高校生になってしまいました
なんだろうホント一週間に一回単位で不規則に見るんだけど、ほんと私夢操れるようになったのかな
それともトリップしたいとか別次元があると信じていたおかげでホントに彼と夢の世界が繋がってしまったとか?
「あれか、異次元特有の時間の流れが違うってやつ」
それにしたってこういうのにはオチがついてくる、どっちかが(大抵夢主だけど)相手の世界に行ける
又はいつの間にか二つの世界が混じっていて再会できるパターン
「私達の場合は三つ目の…行き成り会えなくなるパターンだよ財前くん」
だって、現実はそんなに甘くないもん、きっといつか私達は夢で逢うこともなくなって
君は私を忘れて誰かと結婚して幸せになって…それで…
「っ…」
私、馬鹿だ…わかってたのに…
「こんな短時間で…ワザと財前くんのこと聞かないでいたのに…」
恋に恋していた、だから本当の恋愛なんてわからなかった
だけど恋とはどういうものなのか、恋をしたらどうなるのかくらいサイトを立ち上げ小説を書いている身なら分かる
「どうしようもなく惚れちゃってるじゃんっ…ホント馬鹿ぁ!」
いやだ、財前くんが知らない女の子と付き合ってる所なんて見たくない想像もしたくない
次元の違う彼に、本気の恋をしてしまった私はどうすればいいのだろう
…いっそ次会えたなら告って振ってもらうか
きっと初恋だから振られればショックも大きいだろうけど、きっと何も言わずに会えなくなるよりましだと思う
「後悔先に立たずだよね…」
そう思って私は眠りに着く
明日から修学旅行…これが私の運命の日となることも知らずにいた
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