デジャヴと君とピアス
奈々緒が居なくなって一ヶ月が経った
なんやかんやで日付けは俺が女になった日にもどっとって
まるであの一ヶ月と少しは存在しなかったかのように無情に時が過ぎていく
「財前最近体調でも悪いん?」
「確かに調子出てないなぁ、何かあったん?」
正直らしくなく寂しいと思った、結構態度にも出ていたようで部長や謙也さん達にまで心配される始末
カッコ悪、奈々緒に見られたら笑われるわ
そう思って今日も何時ものように教室に入る
相変わらず何の変哲もない毎日やなと思う、昔はそれが当たり前やとおもっとったけど
あんなあり得ん事が起こるなんて人生わからんな
そう思って少し笑うと、何やらいつもと違う雰囲気の先生
まさか、そう思って黒板に書かれた日付けを見て目を見開いた
「っじゃカモーン転校生!」
控えめに引かれたドア、以前よりはすらっと入ってきた彼女は笑顔で口を開いた
「冬白奈々緒です、これからよろしくお願いします」
「席は、財前の隣なー」
「!!」
ほぼ同じシチュレーションで…転校生である冬白奈々緒が隣に座って可愛く笑った
「これからまたよろしくね、光」
彼女の耳には、俺があげたピアスがキラリと光っていた
男に戻って一ヶ月の俺、消えてしまった一ヶ月の代償に愛しい彼女が戻ってきた
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