次に会えた時は
「またね」
そう言った瞬間に電話が切れた、それと同時に怖くて閉じていた目を開けると
…やはりトリップする前の部屋に戻っていた
「…」
戻ってきてしまった、喜ぶべきはずなのに心にあるのはただただ寂しさだけで
デスクの上には光と一緒に買いに行ったピアスと、彼からもらったピアス、消毒液などが並べてあった
鏡を見ると私の耳にもしっかりピアスがついている
「…まだ、これがあるから大丈夫」
会える、信じてれば…何時までかかるかわからないけど絶対会える
「っ!?」
目を覚ましたと同時にバッと起き上がると何故かかかっている布団
そしてここまで来て違和感に気付く
「…もどっとる」
一ヶ月以上も戻らなかったのに、元の男へと戻っていた けど
『またね』
「っ…」
嘘やと思いたい、けど奈々緒は帰ってしまった
彼女は感づいていたのだろう、もうすぐ元の世界に戻ってしまう事を
「…これ」
首から掛けていた奈々緒に貰ったそれを見て思わず外す
薬指に入れると案外サイズがピッタリで思わず苦笑した
「奈々緒の直感、当たりすぎや」
『光も私の事を好きでいてくれれば絶対また会えると思う』
「好きでいるにきまっとるやろ」
次に会えた時は、思い切り抱きしめてやろう
今まで以上に好きだといって甘やかせてあげよう
寂しがり屋な彼女ともっと一緒にいてあげよう…そう心に誓った
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