「…その子、もしかしたら」


今までも他の子がレギュラーに近寄った事はあった、というか今でもある 
それでも彼等は揺らがなかった、でも今はそんな一人の転校生に左右されている


「何かわかったの?」

「その子に皆がベッタリしてるわけじゃないんでしょ?」


逆ハー補正がついているなら皆が皆明日ちゃんを放置してその転校生にベッタリになるはずだ

「まぁ、そうね、皆は仲がいい位だけど白石が…」


その言葉で私は小さく溜息をついた…間違いない


「多分、その子は補正を解く鍵みたいな子なんだと思う」

「補正を解くですって?!」

その言葉に彼女は冗談じゃないといきり立つ


「せっかく逆ハーになったのにこれじゃ意味無いじゃない!」

「…でもその子がこの学校に居る限り補正は効かないと思う」


そう言うと彼女は簡単よと笑う


「また転校してもらえばいいじゃない」

「え?」

「こう言うやり方は好きじゃないけど…まぁ仕方ないわね」


そう言った彼女の言葉の真理を、この時に聞いておけばよかったと思った


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