「おはようみおちゃん!」

「おはよう柚ちゃん」


だんだん慣れてきたこの日常がくすぐったくて居心地がいい

そう思い始めていたそんな時、それは突然訪れた


「…?」


自分の下駄箱を開けると手紙のようなものが入っていた

差出人の名前はなく表に”村井さんへ”と書いてあった 

直感でこれは人には見せてはいけないと思った



「みおちゃん、どうしたの?」

「…なんでもないよ」


私は手紙を見せない様に隠して教室まで向かった ――


誰にも邪魔されない様に私はトイレの個室にこもってその封を開ける



「な、に…これ…」


入っていた手紙には
”信じてはいけない、あいつらは村井さんが居なくても平気だと思っている、縁を切った方がいい”
そう書かれており、同封されていた写真は楽しそうに笑う明日ちゃんたちの姿が映っていた 

それを見ただけで私は心がグラついた


「っ…」


唯でさえ危うい足場を、一気に崩されたような気分だった


「…違う」


この笑顔は、そんな意味があるわけじゃない
私が居なくてもとか、そんな意味じゃない。
友達といれば自然と笑顔になれる…それを教えてくれた人達なのに、それなのに…


「どうしてよっ…」


どうして、こんなにも疑ってしまうのだろうか 
好きで仕方のない明日ちゃん、もっと仲良くなりたい柚ちゃん達

信頼すると決めた筈の私は、今どうしようもなく不安になっている 
誰が書いたのかもわからないこんな手紙を信じようなんて馬鹿げている

だけど、手紙を信じなくてもこの手紙のせいで不安や疑いを持ってしまった私は明日ちゃん達を信じてないということになる


「信じる資格すら、ないっていうの…?」


私、どうすればいいの?


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