テニス部の人たちや笠間柚に明日ちゃんしか知らなかった過去を打ち明けてからというもの、皆は凄く私に構うようになった 
なんというか、こんなに賑やかなのって初めてでどう接すればいいのかまだよくわからない 

忍足くんは人懐っこいらしくすごくフレンドリーに話しかけられる、困ってるとそれとなく白石くんが助けてくれるし 
財前くんが忍足くんに毒舌な言葉を言ったり明日ちゃんが私も皆と話しやすいように間を持ってくれる、何より ――


「おはようみおちゃん!」

「お、おはよう…柚ちゃん」



今私の目の前でニッコリと笑う柚ちゃん、彼女は誰よりも私の人間不信を改善しようと手助けしてくれる。
明日ちゃん贔屓の私から見ても彼女が一番私のためにあれこれ悩んでくれているのは分かる 
それなのに何か裏があるからとか、どうせ最後は裏切られるんだろうとか、変な方向に考えてしまう自分が悲しくなった。


…せめて彼らに何かできることはないかと思ったが本人達には言えないから明日ちゃんに言ったことがある
そうしたら彼女は目を丸くしたかと思うと優しく笑って


「みおが一番しなきゃいけないことをする事が恩返しになると私は思うわ」


こう言ってくれた。
私が今一番しなければいけないこと…人間不信を克服することだ 

もし改善できなくても困らない程度に克服できたのならその時はもう一度謝りたい、そして改めて感謝の言葉を言いたいと思った



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