「みお!」


駆け寄って明日は倒れたみおを抱き起こす


「みお、みお…!」

「…大丈夫、気絶しとるだけや」

「よかった…」


謙也のその言葉に思わず涙目で震えながらいう明日に3人は顔を見合わせた


「なぁ…村井さんのことやけど」

「…この子はね、誰からも愛されないで生きてきたの」

「え?」

「ごめんなさい、これ以上は言えないわ…後はこの子から聞いて頂戴…話してくれるかは保証しないわ」


そう言うと小さくごめんね、みお。
と呟いた明日に、その場の誰もが追求することを止めた。 


―――


「―――っ…」


目を開くと、真っ白い天井


「みお、起きた?」

「明日、ちゃん…」


起き上がると、ガチャリと扉が開く音がする


「お、村井さん気がついたんか」

「よかったー、倒れた時はビックリしたで」

「村井さん、大丈夫?」


先程の三人が当たり前のように心配をして来て私は目を見開いた


「わけ、わかんない…なんで心配なんてするわけ?」

「そりゃ目の前で倒れられたら心配するやろ」

「…私の心配なんてしなくていいよ」


そう言うと謙也が静かに口を開いた


「なぁ…なんでそんな自分を虐げるんや?」

「…」

「なんで、死にたいなんていうんや」

よく、わからなかったけど、この人の聞いてきた言葉が、明日ちゃんの言葉と被ったからかな…私の口は自然に動いた


「私が五歳の時、私を溺愛していてくれた父が病死してからが全ての始まりだった」

「みお…」

悲しそうに此方を見つめる明日に苦笑してから続きを紡ぐ


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