「私にとっては…大事なんだよ」


そういった声は先程の叫びが嘘のようにか細く震えていた


「明日ちゃんが笠間さんばっかり優先して、私の事を遠ざけてた」

「それはみおの思い込みよ」

「そんなことない…ねぇ気付いてた?私といる時も私の事気にかけてくれなくなったの」


前は私の事も気にかけてくれた、私の話も聞いてくれた
でも今はテニス部や笠間さんの事ばかり話してる


「私を見てくれなくなったの…何時から?」

「そ、それは…」


明日が言い淀んだ時に今まで黙っていた2人が口を開いた


「村井さん、それで明日を責めるんはお門違いやろ」

「せや、そんなの小さい子供が駄々捏ねてるのと同じや」

「同じで結構」


その声は何処までも冷え切っていた


「あんた達みたいに皆に愛されてる人にはわからないでしょうね、私の気持ちなんて」

「みお…」

「明日ちゃん、私に怒りに来たんだよね…どうしてって」

「…」

「それは、私を敵とみなしたって言う判断でいいよね?」

「!!違う!!」

「違くないよ…やっぱり、明日ちゃんも皆と同じだよね」


そう言ってみおは悲しそうに笑った


「私の気持ちなんて誰も理解できない、同情なんてもういらない」


後ずさるみおを見て明日は表情を一転させて焦った様に叫ぶ


「止まりなさい、死ぬ気!?」

「は?死ぬ!?」


その単語に3人も焦った様に彼女を見やる


「お願いだから…もう楽にさせて、信じるのも、裏切られるのももう疲れた」


みおはそう言って、初めて表情を崩した


「もう、放っておいてよ…私の事なんて!」


涙が止まらない、もう疲れた、楽になりたい
誰とも接したくない消えてしまいたい、何も感じたくない…死にたい。


「逃げるの?死んで、それで終わりにする気!?」

「逃げたくもなるよ…生きていたって、辛いだけ」


息をしたくない、見たくない、聞きたくない


「もう、死にたいよ」


そう呟いた時、意識がブラックアウトした



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