必ずしも自分が年上とは限らない
まさかトリップというものを本当にするとは思わなかったが戦闘であふれる世界に生まれなくて本当に良かったと思っている
ぶっちゃけこの世界テニスと無関係で生活してれば害ないからなぁ…と思っていた矢先、中学卒業と共に大阪に転校する羽目に
何故こうなったんだ…ただでさえ転校とか恐ろしいのになんてことしてくれたんだ父上の上司めと恨みながら入学して早々 ――
「なぁ自分どっからきたん?」
「東京、ですけど」
「へぇ東京かー!」
何故囲まれる 皆、標準語とかテレビで散々見てるだろ珍しくないだろ
なんで私珍獣扱いなんだ…四天フレンドリーすぎて疲れるぜ…と思っていた矢先に
「迷った…」
トイレ行ってる間に皆移動してるって何
しかも入学早々迷うって…友達の一人でも作っておけばよかったぜこの野郎、入学式間に合わねぇしサボってやろうk「自分なにしてん?」
「へ?」
唐突に呼ばれて振り返るとあら素敵、黒髪ピアスさんじゃないですか…
おい誰だテニスと無関係の生活してれば害ないとか言ったやつ…私だよ!
別に彼は害じゃないけどさ、好きなキャラだったわけだし
そうじゃなくてそれ以上関わるとなんか起こりそうだし100歩譲って傍観者がいい
「…もしかして迷子か」
「…恥ずかしながら、はい」
「まぁ…ネクタイの色的にせやろな、案内したるからついてき」
「あ、ありがとうございます」
あれ、結構優しいぞこの人。
まぁ典型的クーデレなのはわかってたし信じていたからな
見た目に判断されちゃだめだよね
とりあえずイケメンとお話しできて嬉しいっちゃ嬉しいんですが彼より年下なのがちょっと悔しいです、彼よりは年上だと思ってたよ私は…
というか精神的な年齢だとこの学校では先生レベルなのに、迷って道案内されてるとか…恥ずかしいにもほどがある
「お、ギリギリ間に合うたっぽい」
「あ…態々すみませんでした、お蔭で入学早々サボらなくてすみそうです」
「ええよ別に、ほな」
颯爽と去る彼を見て思った、おい貴様はサボるのかと。
そしてこの後彼と度々遭遇することも知らずに私は体育館の中に入って行った
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