疲れてるとこういう思考になったりする
――キーンコーンカーンコーン
「―ほな今日はここまでや、ちゃんと復習しとくんやで〜」
先生がそういってあいさつが終わってすぐ私は机になだれ込んだ
「…」
頭が痛いとかお腹が痛いとか、そんなんじゃなく眠気が半端ないのだ
「ぜんざい」
頭の上から柔らかい声が聞こえてきた、誰かなんて確認するまでもなく彼だとわかった
「なーに光」
「眠いん?」
「んー…」
腕にうずめた顔を少し上げると前の席の彼も椅子を反対に座ってこちらと視線を合わせてくれた
「次自習やで」
「え、なんで…」
「なんか先生おらんとかいっとった」
「授業じゃないのはいいけど自習も眠くなるって…」
頭がボーッとしていてまともに回らない、眠い時って頑張っても眠い
わけのわからない呻き声を上げると光は私の頭を撫でた
「余計眠くなる」
「ええよ寝ても、次自習言うても代わりの先生こんから」
「そうなの?」
「プリント配りに来るだけやで」
普段なら光とおしゃべりできるから嬉しいんだけどどうしてそういう時に限ってこんなに眠いんだろう
そう思っていると椅子にちゃんと座りなおした光が膝をポンポンと叩く
「ぜんざい、こっちきぃや」
「うー…ん」
いつもなら断るところだが教室でベタベタしてるのなんて今更だし眠いから羞恥心とかあんまりない
何より光にくっついてると安心するから寝やすい
光の膝に座ってぎゅーっと抱き着くと同じくらいの強さで抱きしめ返してくれる
周りが何か冷やかしの言葉を言っているような気もするけど眠いから頭に入ってこないし、光に抱き着くので忙しい
「この体制意外と寝れそう」
「そか、寝てもええで、終わったら起こすし」
「…お言葉に甘える」
「ん、おやすみ」
頭を撫でられて私は眠りの淵に落ちて行った、遠い意識の中授業開始の鐘が聞こえたような気がした
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