財前光と365days | ナノ

結局は財前くんが好きってこと


「やっぱり俺はお前のことが好きだ!」
「光っ...」
「俺たちもう一度、やり直そう?」

ーーーーー

「...なんやうざい位ドロドロな話やったな」
「そだね」
「しかも俺と同じ名前とか...ここまで来たらヒロインの名前もぜんざいやろ」

少し前流行っていた映画が放送されていたので光と見るために録画をしていたのだが
2人そろってなんとも言えない気持ちになってしまった
ドロドロな四角関係のお話
彼氏が浮気していることを知りつつも好きだから別れられないヒロインも彼氏の友達と浮気してしまうけど
最終的にはお互いの気持ちを確かめあってもう一度やり直してはっぴーえんどってやつ

「...でもヒロインの気持ちわからなくもないかな」
「は?」

あり得ないと言うようにあからさまに眉を潜めた光に思わず吹き出すと笑うなとほっぺたを軽く摘ままれた

「ひはる、ほっへひゃほひひゃう」
「ふっ、なに言うてんのかわからんわ」
「...うー」
「威嚇してもかわええだけやから」

そう笑いつつも光はようやくほっぺたを摘まむのをやめてくれた

「...で、わからなくもないて何やねん」

やはりそこが気になるのか私の髪をいじりながらも質問してきた
光の行動がいちいち可愛い事に気をとられてたから少し焦る

「私と光がヒロインと彼氏だったら今の映画と同じ結末担ってた思うの」
「ふーん?」
「でもね、光が彼氏の友達だったら彼氏とより戻さないで光の所にいくと思うの」

そう言うと何が言いたいのかわかったらしい光がため息をついた

「それ、たんに俺が好きなだけやろ」
「うん」
「同じようなこと考えた自分が恨めしいわ」

同じようなことを考えてくれたってことは光も私が好きってことで
私にとってそれは何よりも幸せにしてくれる魔法みたいなもの

「へへ、一心同体〜」
「少女隊修行はせぇへんで」
「えー」

わざとらしく声をあげると触れるだけのキスをされる

「修行なんてせぇへんでも俺らすでに意思疎通出来とるやん」
「あ、そか」
「...」
「ねぇ光、この先どんなことかあっても光が一番好きだよ」

例え喧嘩しても、浮気されも、事故や病気で生き別れても、別れて別の人と付き合っても...
決して変わらない気持ち、光は誰よりも大切な人

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