私から鶯色様へ2


「鶯色」

「何?」

「…泣きたいときは素直に泣けよ」

「っ…」

「そのくらいは俺に頼れ」


亮には全部お見通しだったらしい、彼の言葉を聞いて安心したからなのかわからないが急に涙がボロボロと零れてきた


「全くあいつも何考えてるんだか、こんないい女泣かせるなんて」


亮は私の頭を優しくなでながらそう言ってくれた
彼にそう言ってもらえるほどいい女でもないけど、今はそんな言葉が嬉しかった


「しょうがないよ…他に好きな人がいたんだから」

「けど、俺からしたらムカつくぜ」

「どうして?」


亮は人を思いやれる人で、人を慰める時にそんな風に言っているのを聞くのは初めてだった


「俺の好きなやつの告白を断ったんだ、ムカついて当然だろ」

「ぇ?」

「俺の方が付き合い長いのにあいつが無条件にお前に好意寄せられてただけでも嫌だったのによ」


そう言った亮に私の涙が既に止まっていて、私は目を瞬かせるばかりだった


「亮…私の事好きなの?」

「ああ、言ってなかったっけ?」

「い、言ってないよそんな大事な事…!」


思わず大きい声え言うと今度は量が驚いたような表情をして、嬉しそうに笑った


「サンキュ、けど俺の事は気にしなくていいから」

「でもそんな、」

「今は俺がお前の事大事に思ってるって、知っててくれるだけでいいよ」


今度は困ったように笑うから私はそれ以上何も言えなかった


「けどこれで振出しに戻ったわけだし、傷心中のお前が立ち直ったら本格的に頑張ってみっかな」


はにかみながら言った亮の横顔は夕日に照らされて凄く綺麗だった。
今まで見てきた亮とは全く別人だと思ってしまうくらい眩しかった


「今から頑張ってみてもいいよ」

「ダメだろ、今はお前が元気になる方が優先的だ」

「亮は優しいね」

「気づくのおせぇよ」


私たちはお互いの顔を見合わせて笑った 

なんだ、もうこんなに心から笑えるんならきっともう大丈夫だよ




あとがき
遅くなってしまって申し訳ありませんっ!!
一ヶ月以上も待たせてしまうとは…なんという失態を…
待たせた挙句にこんな拙い文章ですみません><
お持ち帰り、苦情などは鶯色様のみ可能です

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