笑顔の君と笑い方を忘れた私
思春期ならば一度は考えたことがあるだろう問題に私は今まさにぶち当たっていた
ふと何のために私生きているのかが不思議になった
特別やりたいことがあるわけでもないし部活や習い事など打ち込めることがあるわけでもない
ただ毎日同じことのくり返しのように思えてならない 何事も適当に流されるままの毎日だった
私はふとその”同じことのくり返し”から抜け出したかっただけなのだ
だけど流される生き方に慣れすぎた私は今更どう変わればいいのかなんてわからなかった
簡単な疑問が浮かんでは消えていくことのくり返しでなんだか馬鹿らしくなった
馬鹿らしくなったのと同時にそんな人生を歩んでいる私はなんで生きているのかと疑問に思い始めたのだ
なんで生きているのだろう、なんで息をしているのだろう。
わからないから息を止めてみた
苦しくて肺が酸素を求めていた、苦しさのあまり涙が滲み出たころ私はようやく息を止めるのをやめた
急に酸素を取り入れすぎて咽ながらも私は思った、逆に楽しかったのはいつだろうと
毎日がキラキラしていたころは一体いつだっただろう
「っ…」
言わなくても、こんな回りくどい考え方しなくたってわかってる
知らないふりをして目を背けてただけだ
周りや世界に面白みという色を失くしたのは君がいなくなってから
君と居た頃は今思い出しても驚くくらい充実していた
興味のないことも君と関係しているだけでキラキラして見えた
「ねぇ、私どんなふうに生きてたっけ」
語りかけても写真の中の君は変わらない笑顔のまま私を見つめる
その写真に写っている私も幸せそうに笑っているけど、今は普通の笑顔さえもどうすればいいのかもうわからなくなってしまった
「おいてくなんて、ずるい」
幸せになれなんて無理だよ、忘れてなんて無理だよ、俺の分まで生きてなんてずるいよ ―――
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