芥川と誕生日





「あ、茜だCー」

「ジロー?」


屋上で寝転がっているとふと声が聞こえて目を開ける
するとのほほんとした彼の顔が視界いっぱいに映った



「茜がサボってるなんて珍Cー」

「それを言うならジローが起きてるのも珍しいね」

「だってさぁ茜がクラスにいないんだもん」


茜がいないと授業つまんなEーとぼやく彼にふっと笑った


「そういえば今日ってこどもの日だね」

「たしかにー」

「…ジローの誕生日でもあるよね今日」

「あれ、そうだっけ?」


その言葉に寝転がっているにも関わらず頭をどこかしらにぶつけそうになった
私はいつまでも子供の気持ちを忘れない純粋なジローの日で覚えてるのに…


「ちょっと…なに自分の誕生日忘れてんの、漫画でもないのに」


普通誕生日を楽しみにしていなくてもその日になれば誕生日だと思うくらいはするだろう


「誕生日ってあれだよね、特別な日じゃん?」

「まぁ、うん」

「俺にとっては茜と一緒に過ごす日全部が特別な日なんだよね!」

「!!」

「だから、誕生日とか忘れてた」



無邪気に笑う彼に思わず目を見開く なんだか、くすぐったいような温かい気持ちになる


「ジロー」

「なーにぃ?」

「プレゼント、何がいい?」

「んー、なら」

「なら?」

「茜がEーな」

「は!?」


驚いた私の叫びは彼の唇にかき消されたのだった


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