芥川とポッキーの日





「茜!」

「っ!!!慈郎急に抱き着かないでっていつも言ってるでしょ!」


ポッキーのチョコムースを咥えて廊下を徘徊していたら後ろから飛びかかる勢いで抱き着かれた
その衝撃でよろけたけど前に倒れない様にちゃんと加減してくれてるところが確信犯だと思う
ポッキーも噛んで落としそうになったけど何とか唇で持ちこたえて手に持つ


「えへへっごめんごめん」

「ほんとにそう思ってるのかなぁー…もう」


いつもの無邪気な笑顔で言うものだからそれ以上何も言えなくて溜息をつく
すると「どうしたの?」と頭を撫でられた…うん、もう可愛いからなんでもいいや


「慈郎もポッキーあげる」

「ほんと!?やったCー!」


何と可愛い事か、でも慈郎って天然な所があるのも確かなんだけど確信犯な作った天然があるのも確か
私の食べかけのポッキーを持っている手を掴んでポッキー掠め取ったのは多分確信犯だ


「んーおいCー!」

「まぁ私一押しのチョコムースだからね…あ、慈郎もムース好きだったよね」

「うん!」


あぁこれは天然だよね、それにしても抱き着かれてるのに尻尾が見えるのは気のせいだと思いたい
ちなみに廊下でこんなやり取りをするのももう慣れたわけだが今日はポッキーの日だったらしく
意味もなく写メられていたりした事に全く気付かなかったわけだ、というか写メってどうするんだお前ら

後日一緒になって写メっていたらしい友達に聞いたら御利益があるかもとか
友達はどこかずれていることを忘れていた。


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