金色と誕生日
「…」
「はい、チーズw」
「…おん」
なんだろう、蔵が凄い犠牲になってるように見えるんだけど…寝ぼけてるのかな
目を擦ってもう一度正面を見る
うん、変わらないね。
蔵がツーショット無理矢理とることを強いられてるね
「んもう!皆アタシの為に争わないでー!」
「…別に争ってないっすけど」
「財前きゅんったら、やきもち?」
「…」
何だろう、うん。
この状況が屋上で行われてるだけまだましだと思うのだが…
事は朝まで遡るらしい、ユウジが真っ先にお誕生日だと盛り上がって特攻したらしく
それが原因で皆でハーレム状態を楽しみたいと言い出したのだ
何がどう捩子曲がってそうなったのか、話を聞いただけの私には全くわからない
涙ながらに謙也に聞かさせられた話だ
「茜ちゃんったら戸惑ってるん?」
「え!?」
急に振られると思っていなかったので変に大きい声を出してしまった
「驚いちゃってかわええんやから〜!」
「ひゃっ!」
なんだかんだで隣にご招待されていた私は勢いでむぎゅーっと抱き着かれた
抱き着かれてどうすればいいかわからないしユウジからの視線は怖いしでワタワタしていると小春ちゃんを余計に煽ってしまったらしい
何故か可愛いと連呼される、そして皆から怒涛の勢いで救出された
人一倍口を出していたユウジに愛の鉄拳が入っていた、痛そう。
「どうしてこうなったん…?」
「照れんでええんよ蔵りん!」
私が救出された代わりに蔵が犠牲になった…あれ、この人犠牲になりすぎじゃない?
「茜ー平気か?」
「あ、うん全然大丈夫だよ」
「そか…俺らは大ダメージや…」
「まぁまぁ」
女子の私からすれば小春ちゃんは女の子友達感覚なので抱き着かれても驚く程度で嫌だったりはしないし
精神的ダメージとかは特にない、そこが男女の差か…肩組んだりはしてもよっぽどの事ないと抱き着いたりしないよね、多分
そんなこんなで何処からか入手してきたらしいたこ焼きを頬張りながら現れた金ちゃんが可愛すぎて
勢いで抱き着いたら更に小春ちゃんに再び抱き着かれたりして、取りあえず小春ちゃんの誕生日だから色々荒ぶってる一日だった
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