憧れの先輩と悩み、不満と謙也





「いいなぁ先輩」


お互いの彼氏の部活が終わるまで教室で先輩と話をしていたのだが、あまりにも楽しそうに先輩が話すのでつい呟いてしまった
不思議そうに首をかしげる先輩に今まで気になっていたことを問いただしてみることにする


「先輩は白石先輩とどこまでしたんです?」

「は、ぁ!?」


突然の質問に驚いたのか先輩は持っていた携帯を落としそうになった 
ぽかんとした表情でこちらを見る先輩がなんか可愛らしかった


「ちょ、急に何言ってるのアンタ…」

「やって、謙也先輩全然手出してこんから普通はどないなペースなんかなて…」


これが一番気になっていた事、唯でさえ彼氏の謙也先輩はヘタレだし…普段からバがつくくらい仲のいい先輩たちはどこまで行ったのか気になる



「ちなみにどこまでいったの」

「…付き合うところまで」


そう言うと驚きながら手を繋いだことも?と聞いてくる
付き合って半年、流石にキス位は普通にしてると思う。

手まで繋いだことないって彼氏は結構重症なヘタレ具合だ


「私、そない魅力ないですか?」

「魅力ありまくるに決まってるでしょ、私がお嫁にもらいたいくらいだよ」

「…先輩なら優しくしてくれそうですよね」

「まぁ女の子には優しくがポリシーだからね」



自信あると何故か誇らしげに言う先輩は可愛いものには目がない姉御肌な先輩
その癖可愛くて私からしたら憧れの先輩なのだ 
別に考えたこともなかったけど先輩が男だったら先輩と付き合ってたかもーと思いながら言ってみる


「じゃあ私先輩の彼女になる」

「え」

「あかーん!!!」


何を勘違いしたのか驚く先輩とどこからともなく表れた謙也先輩


「あ、ヘタスター」

「ポケモンみたいに言わんといて!っちゅーかそれヘタレ言うとるやろ!」

「あ、バレた」

「ばれるわアホ!」


漫才を見てるようで少し面白かったのは言ったら機嫌悪くなるだろうし言わない。
それにしても謙也先輩に叩かれた頭大丈夫かな?
擦りながら恨めし気な目で見てる先輩がなんか可愛い


「何俺の彼女誘惑しとるんや!自分女やろ!」

「女の子は可愛いと思うよ」


その意見には同意だった 
女の子は可愛いと思う…のだが先ほどの発言を彼も勘違いしていたのかハッとしたように私の手を掴む謙也先輩


「ちょ、茜はダメや!ダメやからな!」

「…謙也先輩」


何か勘違いしてます?
と言い出す前に繋いだ手を引かれ逃げるように走る

教室を出た時廊下で驚いたような表情の白石先輩と目があったような…きがした。



「先輩!私にまでこんスピードで走らせ続けるつもりなん!?」

「あ、す、スマン…!」


昇降口位まできてようやく私の声が届いたのか彼は走るのを止めて私に向き直る


「アカンで!あいつスキンシップ過剰やから!」

「まぁハグとか普通にしますね」

「したん!?」

「え、いけませんでした?」

「アカンて、俺やってできてないことをそうやすやすと…!」



あ、そう言うところは気にしてくれるんだ。
ヘタレな先輩だけどそれに免じてもう少しだけ待ってあげようかな…


我慢ならなかったら私から押してみるしかないけど…!




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