可愛い後輩と悩み、自論と白石





「いいなぁ先輩」

「ん?」



お互いの彼氏の部活が終わるまで教室で彼女と二人話をしていた時不意に彼女がそう言った


「先輩は白石先輩とどこまでしたんです?」

「は、ぁ!?」


突然の質問に私は持っていた携帯を落としそうになった


「ちょ、急に何言ってるのアンタ…」

「やって、謙也先輩全然手出してこんから普通はどないなペースなんかなて…」

「ちなみにどこまでいったの」

「…付き合うところまで」


その言葉がどういうことなのか、私はなんとなくわかってしまった



「じゃ、じゃあ…まだ手も繋いだことがないの?」

「はい…」


私が恐る恐る言うと彼女はズーンという効果音が付きそうなほど落ち込みながら頷く


「私、そない魅力ないですか?」


涙目になりながらそう言う後輩は正に女の子で私から見ても可愛い、というか今のときめいたわ!


「魅力ありまくるに決まってるでしょ、私がお嫁にもらいたいくらいだよ」

「…先輩なら優しくしてくれそうですよね」

「まぁ女の子には優しくがポリシーだからね」


女の子には常に紳士で居たいこの気持ち、偶になんで男に生まれなかったんだと凹むときもある
そのくらい女の子って見てて可愛いよね、そっちの道に走るわけではないけど


「じゃあ私先輩の彼女になる」

「え」

「あかーん!!!」


そう叫びながら走ってスライディングしてくる勢いで会話に割り込んできたのは同じクラスの謙也


「あ、ヘタスター」

「ポケモンみたいに言わんといて!っちゅーか茜、それヘタレ言うとるやろ!」

「あ、バレた」

「ばれるわアホ!」


ばしーんとナチュナルに頭を叩かれた
酷い、女の子は丁寧に扱わないとダメなんだからな。

そう思いながらも叩かれたところを擦る


「茜何俺の彼女誘惑しとるんや!自分女やろ!」

「女の子は可愛いと思うよ」

「こ、こいつはダメや!ダメやからな!」

「…謙也先輩」


なんだかわからないけど謙也が勝手に勘違いして後輩の彼女を連れて行ってしまった。
私別にそっちの気ないんだけど…女の子可愛いって言っただけなんだけど…



「茜浮気禁止やでー」

「浮気じゃなくて慰めてただけだからね」


そうは言うが納得がいかないらしい蔵はむーっと口をとがらせる…くそ可愛く見えるのが悔しい、なんか悔しい。



「茜は男女問わず人気やからいつ誰にそそのかされるか気が気やないんやで!」

「えぇ…流石に心配しすぎだよ」

「わからんで!友達の中にも奈々緒狙ってるやつがおるかもしれへん!」

「…人間不信になるから止めて」


考えすぎの蔵はちょっと…いやかなり過保護、過保護故にやはり束縛が強い方だと思う
けど、私が本当に嫌がるようなことは言わないし、蔵がそう言うことを言う時は大体嫉妬してる時だけだ


「蔵ー家帰るよ」

「嫌やー茜家に帰したない」



なんていいながらぎゅーっと抱き着いてくる蔵はさながら小さな子どもの様で
謙也のように進むに戸惑ってるのとは真反対なやつだなーと思いながらも蔵だったらそれでもいいかななんて思う

結局の所蔵が好きだから、シャイだろうがヘタレだろうが過保護だろうがどうでもいいのだ。



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