宍戸と誕生日



「宍戸さん宍戸さんお誕生日おめでとうございます!」

「おう、ありがとな長太郎」


素晴らしいほどハイテンションな鳳くんを諸共せずに当たり前のように受け入れる亮を周りで見ていた人物は凄いなと内心彼を称賛しただろう
と言っても周りから見ればすでにはいはいと言わざる負えないほど見慣れた光景だったが。

お互い名前を呼び過ぎで定評のある彼ら、二人が友情に熱いとはいはいと皆が皆受け流す、一部では危ない方向で盛り上がってるが…


「茜!」

「うわっどうしたの亮」

「いや、ボーっとしてっからよ」

「いやなんでもー眠いだけ」

「そうか?」


危ない危ない、貴方と鳳くんの事を考えていましたなんて言えない。


「そーいやお前今日誕生日だよな」

「へ」

「おめでとさん」


覚えてたのか…そう思いながら口を開く


「…ありがと、亮こそお誕生日おめでとう」

「あんがとよ」

「二人ともなんかあっさりしすぎですよ!」

「「…そう?」」

「そうです!」


折角誕生日なんですから!
と鳳くんは言うが私達は顔を見わせ首をかしげる
私達はお互い変にさっぱりした性格だったからお互いの誕生日が来てもこうしておめでとうと言い合うくらいだった
ちなみに私にも亮の次位に懐いちゃったんだよねこの子、二人して一匹犬飼ってる気分だよ


「っ〜二人ともついてきてください!」

「え?」

「おい長太郎!?」


私が変な方向に話を進めている間、何を思ったのか私たちの手を取って歩き出していた


「え、学校…」

「今日はいいんです!」

「ちょ」

「長太郎もこういうところ大胆だよな、結構意外だぜ」


そうは言うけど私はただ驚くばかりだよ、まさか鳳くんが勢いに任せて学校飛び出すなんて思っても見なかった


「どこ行くの?」

「とりあえずは二人の好きな海にでも」

「!」

「改めてお誕生日おめでとうございます、二人とも」

「「ありがとう」」



声をそろえて言うと鳳くんはやっと気の抜けたようなほわほわした笑顔を見せた 

とりあえず今日は大人しく亮と二人で彼に祝われますかね。



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