淡泊トリップ少女と白石の話1
私の周りで変わった事と言えば私含め家族全員が変わった事だろうと思う。
私含めというのはどういうことかというと、私が鏡を覗いてもそこにあるのは全く知らない別の人の顔なわけだ
ある日突然、別に事故にあってとか階段から落ちてとか、そんなもの全然なかった
気づいたらこんな全くわからない世界で暮していた。
最初は意味の解らないこの状況を嘆いたが自然と諦めが出ていた
淡泊な私の性格がこんなところですぐに表れるのは自分自身薄情なやつだと思う
でも戻る方法なんてわかるはずもないしだからと言って死にたいなんて思うわけもなく適当に平凡な世界を過ごしてやろう、そう思った
「転校?」
「そう、お父さんが大阪に転勤になっちゃって」
「ふぅん…」
簡単に返事をしていたが内心では途轍もなく狼狽していた
こんなとんでも体験をしてるのに転校の体験なんて皆無だったから
人が苦手な私にとっては迷惑な話だったが転勤に口を出せるような立場でもないし自立できる年齢でもなかった私は大人しく従うだけだった
まぁ少しの間は新鮮味があるだろうがそれもすぐに終わって平凡な日々が訪れるだろう
そう思っていたのに…
「俺、白石蔵ノ介っちゅーんや、自分は?」
「…菅野茜」
神様は私に平凡を与えてくれないそうです。
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