向日と誕生日




「がっくんお誕生日おめでとううちにおいで」


茜が唐突にこんなことを言い出した
その言葉を聞いて数秒で色々な解釈をしたがやはり返答に困ったので俺は若干こめかみを抑えながら答える


「…悪いけどもうちょい砕いて」

「お誕生日のお祝いがしたいので放課後私の家に来てよ」

「というか家でもそれ言われたし、お前俺の家とグルかよ」

「バレたか…」


何故ばれたと悔しがる彼女を見て俺は内心思う、今の話の流れでわかるだろふつう、と



「それにしてもなんでお前の家なんだ?」

「いや跡部に負けないお祝いをしようと思って」

「はぁ?」

「私しかできないお祝いの仕方を考えたんだけど出てこなくってさ」



とりあえず手料理なら個人の味が出ると思って

真剣にそう言われると何も言い返せない、というか茜が真剣に考えてくれてたのは素直に嬉しかった



「じゃあ俺も行かせてもらうで」

「俺も俺もー!」

「ちょ、侑士に慈郎!」

「これはいいことを聞いたぜ、早速召集をかける」

「そこ、やめろ!」


と、俺の叫びも虚しく結局全員集まってしまったわけで、いつものメンバーと茜の手料理(結構手が込んでた)とケーキ食ったわけだ



「がっくん疲れてない?」

「んーこういうの楽しいけど疲れるなって」

「うわ珍しーがっくんが盛り上がって疲れるとか」

「俺をなんだと思ってるんだよ!」

「がっくんはがっくんだよ」

「…はぁ」



茜には口では勝てない気がする、変な所で天然入ってるし

とりあえず俺は来年の誕生日もこれ位賑やかでも悪くないと思った



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