黄色い風船 後編



  * * *


黒『な、なぁブルー、今度の日曜s(遮られ)』


『遊園地行かへん?!めっちゃ楽しいんやで?遊園地♪な、な、行こー?』


黒『ちょ、俺が誘うっつっただろーが!!横から入って来るなよッ』


『せやかてブラック、恐い言うとったやんか』


黒『ば、バカ!!ンなこと言ってないっての!!!と…とにかく、今度の日曜、夢と希望のマタタビランドの西口ゲート前で待ってるから!!10時集合な?!』



「…とかなんとか言っておきながら、もう30分遅刻してるじゃない、あの二人。なんか雨降りそうだし……来るの、やめたのかな。でも、流石にあの二人でも連絡くらいはするよね…多分」


  * * *


「…遅い……遅すぎる。……すっぽかされたんだ…絶対。も、最悪…」


SE:走行音


「あ、おったおった。もー、ブルー何しとんねん、めっちゃ探したでホンマ」
(息切れ)


「い、イエロー……って、アンタね、人待たせといて何よそれ!!まるで私が悪いみたいに!!何分待った…いや、何時間待ったと思ってんのよ!!!二時間よ二時間!!」


「に、二時間も待っててん?!…そら悪いことさせたな。ごめんな…?足痛うない?おぶったろか?」


「なッ、…い、イイわよ、別に…もう。ちゃんと来てくれたんだし。…で、ブラックはどうしたのよ。一緒じゃないの…?」


「あー…ブラックとは途中逸れてしもてん。俺携帯持っとらんから連絡取れへんし、ブラック探しとる時間勿体ないし…ブルーはブラックと連絡取れへん?」


「…取れてたらとっくに取ってる。今日は携帯忘れちゃったのよ」


「そか、それなら邪魔入らんでエエやんな。どうせやから二人で遊ぼうや」


「は…?え、ちょ、手ッ…引っ張んないでよ!!」


SE:早歩行音2つ→間→絶叫マシーン+女性絶叫


「んにゃー!!!やっぱ凄いなマタタビランドのジェットコースターはー……って、ブルー大丈夫か?」


「(ぜぇはぁ)…だ、大丈夫なわけ、ないでしょ……何回目だと、思ってんのよ…」


「なんや…もしかしてブルー、こういうの苦手やった?」


「べ、別に、苦手とかじゃなくて…流石に連続は…」


「んー…ほな、少し休憩しよか。俺飲み物…と、食べ物買うて来るさかい、あっこのベンチ座っとき」


「りょ、了解…」


  * * *


SE:ずずずずず(飲料ストローで吸い上げ)


「……な、何よ、こっちばっか見て。私の顔になんかついてる?」


「いや、…ブルーの顔、こんな近くでゆっくり見んのはじめてやなー思て。良う見たらブルー別嬪さんやな」


「ッ……よ、良う見たらって、良う見なかったら違うんかい(別嬪言われ動揺し)」


「せやなぁ…いっつも怒ってる顔しか見たことないからなぁ」


「それは、アンタが怒らせるからでしょッ?」


「あっはー…ホンマごめんな?いっつも迷惑ばっか掛けてしもて」


「べ、別に…もう慣れた」


「んー…あんな?あー…えっと…、これから先も沢山迷惑掛けてまうかもしれへんけど、…ブルーの飯上手いから、ずっとブルーと一緒に居たいねん。せやから、俺迷惑掛けへんよう頑張るから、またブルーの上手い飯食わせてな?」
(馬鹿なりに最初は言葉を考えて慎重に。後半明るくと)


「……ぁ…(言葉にならず)…え、と…」


「どないしてん。…顔真っ赤やで…具合悪ぅなってしもたか?」


「ち、違うッ…」


「…なら、お腹でも空いたか?」


「ッ…今さっき食べたばっかじゃない」


「せやったら、やっぱ熱でもあるんとちゃうk(遮られ)」


「ち、違うわよ馬鹿!もうイイから、次アレ行くわよ!!」


SE:ガタッ(椅子から起立)→早歩行音


「ちょ、ブルー待ってーな!」


  * * *



SE:in.お化け屋敷


「ぎゃーーーーーーーーーッ」


「イェーイ到着ーーーッ!!」


SE:走行音


「な、ななな、な、な…なんで、お化け屋敷、なんか、入るのよッ」


「何言うてんねん、入る言うたんブルーやんか(笑)」


「し、しし、知らないわよッ、そんなのッ。て、てか、アンタはなんで、私背負ってんのよッ」


「これもブルーから飛び乗ってきたんやんか(笑)」


「そッ……そう、だっけ……ごめん」
(そんなことないと言うつもりだったけど)


「…なんや急にしおらしなったなぁ」


「お、重いでしょ?もう降ろしても大丈夫だから…」


「重いかなぁ……わからんから、もちっとこんままにしとこ」


「や、ヤだ、ちょ、恥ずかしいじゃない!」


「…何が?」


「…何がって…」


「あ、ニャッキーとニャミーちゃんや!おーいニャッキー!!」


「(小声で)は、恥ずかしいから呼ばないでよッ。こっち来ちゃうじゃないッ」


ニャッキー「やっほー、ボク、ニャッキー!風船はいかが?」


「マジで?!風船貰えるん!?せやったら、黄色欲しいわ」


ニャッキー「やっほー、ボク、ニャッキー!風船はいかが?」


「…わ、私は…いらない」


ニャミー「はい、風船。沢山遊んで帰ってね?♪」


「おう、沢山遊んで帰るわ。風船おおきに」


「(小さく呼気)……」
(俯き)


「ほれ…」


「な…何?」


「風船、ブルーにあげるわ」


「え…?でもこれ…」


「ホンマにいつも有難うな」


「………うん、有難う」


「うっしゃ、ほなもっかいジェットコースター行こー♪」


「は?!ちょ、駄目ーーーーーッ」
(フェードアウト)


  * * *


「イイなーイイなー!私もマタタビランド行きたかったなー」


「でもあれだよ?雨降りそうだったし、遊園地はやっぱり晴れの日じゃないとさ」


「むー……。でも、二時間待ったのは凄いなー」


「でしょー?西口ゲート前って言うからニャミーちゃんの銅像のとこで待ってたのに、ブラック全然来ないの」


「え…?西口のゲートにたってるのはニャッキーだよ?ニャミーちゃんは東口のゲートだよ…?」


「え…?」


「なぁーブラック外行こうやー!!」


黒「もー嫌だっつってんだろ!雨降ってんのに外出て何するんだよ!!」


「何言うてんねん!遊ぶに決まっとるやんか!!」



 おわり


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