「櫂、おいで」
両手を伸ばせば櫂が飛び込んできて、ふんわりとシャンプーが香った。
すかさず革の上に押し倒す。
「今日はバレンタインですよ、櫂」
コートを脱ぎポケットを漁る。
「らしいな」
興味なさげに組み敷かれるがままの翡翠の瞳は僕の手元を見た瞬間揺らめいた。
赤い箱を櫂に差し出す。
「どうぞ。ハッピーバレンタインです」
「レン……」
嬉しそうに僕の名前を呼ぶ唇に思わず口付けてしまう。
公園とは真逆にキスを受け入れる櫂は翡翠を潤ませた。
「食べさせてあげますね」
不自由な櫂の代わりに僕は箱を開け、艶のあるチョコレートをひとつ摘まんで櫂に見せびらかせた。
「よくできてるな……」
「え、ええ、僕だってこれくらいできますよ」
「ふっ……そうだな」
眉を下げて微笑む櫂。
次いで小さく口を開け僕を待っていた。
チョコレートをそっと押し込む。
「ん……」
なかなかドキドキする瞬間だと思う。
十分すぎるくらいに味見はしたけど、それでも櫂の口に合わなければ意味がない。
僕は黙って櫂の反応を待った。
櫂は小さく舌を出して唇の端から端まで舐めると僕の頬に優しく触れた。
「すきな味だな」
「か、櫂っ……!」
トクン……と心臓が高鳴る。
僕はこういうときの櫂のことば選びがすきだ。
僕の意図を汲んで誉めてくれる。
口数の少ない櫂だからこその魅力だと思う。
僕は更にチョコレートを摘まむと自分の唇に軽く挟んだ。
櫂に口付けチョコレートを落とす。
「んっ…ふ……」
お互いの舌でチョコレートを転がし、甘さと苦味をほどいてゆく。
櫂の髪を撫でながら深く深く味わう。
ドロドロに蕩けたチョコレートが口いっぱいに広がって、櫂の喉が小さく鳴った。
ほんのりココア色の唾液が糸を引きぷつりと途切れる。
櫂の頬はストロベリーのように艶のあるピンクになっていた。
「こっちも、いいですか?」
下着ごとずり下ろして櫂の下半身を完全に露出させた。
白くて透き通るような肌にうっとりしてしまう。
「あまり見るな……」
「いつも抵抗はしないですよね、櫂って」
「うるさい」
櫂の脚を左右に開かせ、可愛らしいアナルを撫でる。
ピクリ、と櫂の身体が反応した。
「勃起していますよ」
櫂は無言で視線をそらした。
照れや羞恥を感じている姿にこんなにもトキメいてしまっているのは、単に僕が櫂をすきだからというわけではなく、外での櫂とのギャップがあまりにも激しいからだと思う。
こういう時に僕はますます櫂がほしくなる。
僕のものなんだって、僕だけの櫂なんだって感じるから。
僕は中指に唾液を絡ませるとそれを櫂のナカへ差し込んだ。
熱くてキツくて処女というよりは名器というほうが合っている。
櫂の好きなところを刺激してやり解れてきたところでもう一本指を増やした。
道具に頼らずともトロトロになってしまういやらしいアナルはだらしなく涎を垂らしながら更なる刺激を求めて開閉していた。
「ふふ、物欲しそうですね」
「…………っ」
「でも、今日はもっとトロトロにしてあげますよ」
鼻先へキスを落とし指を引き抜くと、櫂は「んっ」と小さく声を漏らした。
櫂のどんな反応も可愛くて仕方がなくて勝手に口許が緩んでしまうが、それを堪えたところで無駄だということはわかっているためそんな努力はせず僕は箱に手を伸ばす。
チョコレートを入り口に宛がえば翡翠が大きく見開かれた。
「やめっ……!」
ぷちゅ……
「もう一個」
「っひあ……」
もっと大きなものだって呑み込めるソコがチョコ程度を拒むわけがなく、簡単に奥への侵入を許してしまう。
じゅぷじゅぷと音を立てながらかき混ぜれば体温で溶けたチョコレートが腸壁を汚した。
トロリ……。
ココア色の体液が尻を伝って革に小さな水溜まりを作る。
僕は興奮したぺニスを取り出すと一気に奥を貫いた。
「っぁああ!!」
しつこいくらいに体液が絡み付いてくる。
気持ちよすぎてついつい乱暴に突き上げてしまう。
肌がぶつかる音とアナルから漏れる水音、革が軋み櫂が喘ぐ。
様々ないやらしい音が混ざり合い、僕は昂る気持ちを抑えることができなかった。
櫂の手首をソファーへ縫い付け欲のままに律動を繰り返す。
「おいしいですか櫂っ!?」
「っなに……ぁっ、いって…んだぁっ……!!」
チョコレートの甘い香りが漂い酔ってしまいそうになる。
五感から余すところなく煽られ、今日はそう長くは持たないな、と察した。
気持ちよすぎて今にでもイってしまいそうだ。
「は、あっ…ひ、……レン!…ふ、あ、レンっ……!」
そんなに煽らないでください。
本当に出てしまいますよ……。
腰がずくりと疼くのを感じた僕は律動を速めた。
「も、櫂のせい、ですからねっ……!?僕のチョコ、たべて、くだ、さいよ!!」
限界だった。
思いきり最奥を突くと、僕は勢いよくぺニスを引き抜きチョコにまみれたソレを櫂の口の中へ押し込んだ。
「んぐぅっ!」
「はあっ……!」
大量の精液を流し込む。
櫂の喉が小さく鳴った。
「んっ……は、出しすぎ…だ……」
白濁が一筋口端から垂れ、口の周りについたチョコレートとマーブル状に混じり合う。
指でそれも口内へ収めた櫂は、いまだチョコレートが付着したままのぺニスに舌を伸ばした。
「ふふ。全部舐めとってくださいね」
顔の角度を変えながら必死に舌でチョコを掬う櫂。
愛しい恋人の髪をふんわりと撫でながら僕は目を細めた。
「まだ残ってますよね、お尻に」
コクリと頷く櫂が射精していたことに気付いたのは、僕のペニスが綺麗になった頃だった。
もっともーっと食べさせてあげますからね。
櫂のためにつくったチョコレートなんですから。
僕の想いは十分すぎるほどに伝わっているようだった。
ハッピーバレンタインです、櫂。
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遅れてすみません/(^o^)\
まずはもらう側更新です。
たくさんのコメントありがとうございました。
2012.02.18
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