「おかえ……っ!」
視界がぐらりと揺らいだ。
見えるのは白い天井と紅い髪。
「いいですよね。」
レンの甘い声が鼓膜を震わせる。
あまりの急な要望に俺は頷くことができなかった。
帰ってくるなり押し倒してくるなんて初めてだ。
何かあったのだろうか……。
「レン、落ち着け。」
下から肩を支え言うが、レンはそれを無視して俺のシャツのボタンをはずし始めた。
ソファーの革が軋む。
胸が開けたかと思えばすぐに下着に手をかけられ制服ごと脱がされてしまった。
「発情期なんです、僕。」
だから止められません、とレンは俺のアナルに舌を這わせた。
俺は、熱い舌とねっとりとした唾液に反応してしまい小さく声をあげた。
「なにが発情期だ、っ……!」
ぐにぐにと壁を掻き分けられ舌を追い出そうと勝手にアナルが収縮してしまう。
思わずレンの髪をくしゃりと掴んだ。
癖のある緋が指に絡む。
レンは俺の手をそっと退けると、自分の前髪をかきあげた。
甘くてふんわりした香りが俺を麻痺させる。
「レン……。」
見透かすような深紅の瞳に見下ろされ、心臓が大きく脈を打つ。
レンの身体は俺よりも華奢なのに、力とは違う強さと迫力を感じた。
オーラに色があるとしたら、かげろうの炎のような赤ではなく、もっと、そう血液のような赤。
それでいて激しく揺らめいていると思った。
「いいですよね。」
同じ台詞。
俺は頬と耳が熱くなるのを感じながら控え目に頷いた。
「っぁ、あああ!!」
途端に鈍い痛みと激しい快感が襲う。
乱暴に腰を打ち付けられ、俺はただ喘ぐことしかできなかった。
ペニスが俺の奥を突く度、押し出されるようにして声が漏れた。
これが情熱的なセックスかと問われたらそれは違うと思った。
あえて例えるなら、レイプに近いと思う。
俺は嫌がるどころかレンの緋色に溺れてしまっているが……。
やがて俺の身体は快感ばかりを拾うようになった。
じわじわと熱が蓄積されていく。
「んっ、ふ、ぁああん……!!」
レンが俺のペニスをきゅっと握る。
数回擦られた後、根元を絞められる。
「やぁっ、な、にすん、だっ!!」
「ここで出すとツラいですよ。」
腰の動きとは裏腹にレンは冷静に言い、俺のナカに吐精した。
内側が熱くレンで満たされていく。
「な、……でっ……!」
レンの指によって射精が叶わなかったペニスが切なげに震える。
自然と視界が歪んでしまう。
レンは楽しそうな笑みを浮かべると再び律動を始めた。
「泣かないでください。1回ではおさまらないんです。」
ぐちゃぐちゃと下品な音をたてながら俺のナカがかき混ぜられる。
レンで蓋をされたソコで行き場のない精液が暴れまわった。
内側から侵されていく。
レンは俺の顎を指に引っ掻けて持ち上げると、噛みつくようなキスをした。
「ふ、っん……!」
何度も啄まれ唾液が水音を奏でる。
容赦無く流れ込んでくる唾液を俺は必死で飲み込んだ。
ペニスを握るレンの手は、今は俺の手首を押さえつけていた。
律動は激しさを増すばかりだ。
限界を越えて蓄積された熱は爆発寸前だった。
「んぅぅ!!っ、ん!んん!!!」
「なんですか…ッ、も、イきます?」
「っぷは…、もうも何も、1回、我慢してんだよこっちはっ……!」
「ふふっ、櫂らしくないですね。顔、真っ赤ですよ。」
反論を試みるが唇を再び塞がれ叶わない。
俺はわざと爪を立ててレンの背中に腕を回した。
対抗するようにレンは俺の気持ちいいところを狙って突き上げてくる。
全身がレンに侵されてるみたいだ……。
敏感になりすぎた身体がこれ以上持つはずもなく。
「―――――――ッ!!」
込み上げる熱に堪えきれず、俺は弾けるように射精した。
ナカではレンの精液が追加され、レンの背中に回していた腕は力無く滑り落ちていった。
頭がぽぅっとして焦点が合わない。
漸くペニスが引き抜かれ、泡立った精液が流れ出た。
端から見れば今の俺は本当にレイプされた後のような姿なんだと思う。
客観的に自分の姿をイメージすると興奮した。
「……櫂も発情期ですか?」
俺はそっとレンの唇を奪った。
---もういっかい---
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櫂くんを侵したくて仕方がありませんでした(私が)
2012.01.19
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