「レン、お湯出してくれ。」

「はい。」

「ちょ、あっつ!!いきなり出すな!!」

「櫂が出せって言ったんじゃないですか……。」


---ちゃぽ---


ここは櫂の住むマンション。

今、僕と櫂は入浴中である。

僕は湯船に浸かりながら、髪を洗う櫂を眺めていた。

櫂は目を開けて洗うことができないらしく、僕がシャワーのお湯出しを手伝っている。

蛇口は浴槽にいても手を伸ばせばギリギリ届く距離にあった。

文句をいいつつも、なんとか泡まみれの髪を流し終えた櫂は、フルフルと左右に首を振った。

猫とか犬もこんな動きをするなぁ、と心の中で呟く。


「入りますか?」

「ああ。」


浴槽は、ピンと足を伸ばすと向こう側の壁に親指が着くか着かないかくらいの幅があった。

もう一方の幅は、先ほどの半分もないくらいだ。

ひとりで入る分にはゆったりしているが、ふたりで入るには若干窮屈といったところだろうか。

恋人同士である僕たちからすれば、ベストな広さだと思う。

櫂が浴槽を跨いでお湯の中に入ってくる。

櫂の分だけ水嵩が増し、僕たちはちょうど三角のケーキが向かい合うような形になった。

白い脚が僕のほうへ伸びている。


「温かい……。」


安心しきって呟く櫂が可愛くて、思わず綻んでしまう。


「……何だ。」

「いえ。僕はしあわせだなぁと思いまして。」

「ばっ……!」


ツン!

櫂はきゅ、と口を結んで顔をそらしてしまう。

そういうところが可愛い……と思うが口には出さないでおく。

僕はこういう風に櫂が照れたり、困ったり、焦ったりする表情が好きだ。

僕だけに見せるものだから、本当にいとおしく思う。

そんな櫂を見たくて、ついつい意地悪とかいたずらもしてしまうが、櫂が本気で嫌がることなんて一度もない。

だから僕は思わず、櫂のぺニスを爪先でつついてしまった。

ふにゃ、とした感触が伝わってくる。


「ん……。」


ちら、とこちらの様子を伺ってくる。

僕には、その仕草が「もっとして」と言っているようにしか見えなかった。

さらに数回つついてみる。

櫂は水面越しに自分のものを見つめながら、もともと火照っていた頬をさらに色付かせる。


「んっ……。」


ぺニスは固く張りつめ始め、すぐに勃起してしまったようだ。


「ふふ。感じてるんですか?足でやられてるのに。」

「うるさい……。」

「素直じゃないですね。」


指を揃えて竿を擦る。

櫂は面白いように反応し、徐々に息遣いが荒くなっていった。


「っ、ぁっ、んっ……。」

小さく喘ぎながら時折僕と視線を合わせてくる。

翡翠の瞳は艶やかに濡れており、とても扇情的だった。


「レ、レン……。」

「何?」

「あ、ぁ、えっと……、ぅ……。」


ぴくりとぺニスが動くのが伝わる。


「言わないとわかりませんよ。」


足の指で、痛くないように皮を引っ張ってみる。

僕もなかなか器用なことができるもんだ。


「もっ、もっと……!」

「もっと、何ですか?」


無意識なのだろうか。

櫂は人差し指の付け根辺りを唇にあてながら、しおらしくなっていた。


「もっと……、つよ、く……しても、いい……。」


カァァァ、と耳まで真っ赤にする櫂。

「してもいい」なんて言わずに素直に「して」と言えばいいものを、そうしないのが櫂の可愛いところだ。

自分の威厳を保っているつもりなのだろうか?

逆効果にしかならないというのに。


「ふふっ。えっちなんですねぇ。」


僕は足の裏全体をぺニスにくっ付け、櫂の腹へ押しやった。


「んっ!!」


そのままずりずりと上下に動かしてやる。

腹と足の裏に挟まれたぺニスが、苦しそうに脈を打っていた。

櫂は人差し指の付け根に噛みついている。

少しでも声を出さないようにとプライドが邪魔をしているのかもしれない。


「ひぁ、んっ、んぅぅっ……!」

「痛くないんですか?だいぶ力入れてますよ。」


こくこくと頷く。

それなら加減する必要はない。

僕は何度もぺニスを擦りあげ、櫂の反応を楽しんだ。

5分ほどそうしていただろうか。

櫂は肩で息をし、ぺニスは一層苦し気に反応していた。


「櫂、イキたいんじゃないですか?」


瞬きでそれを肯定する。


「ふふ。いいですよ。イかせてあげます。」


期待するように、ぺニスが大きく脈を打つ。


「櫂は僕にちんぽ踏まれてイっちゃう変態さんなんですよね。」


ぐっ、と力を込める。


「ひぁあああっ!!」


櫂は人差し指から唇を離し、一際大きな声を出した。

足の裏をぐりぐりと蛇行させながら、ぺニスを一気に扱きあげる。


「あっ!あっ!だめ、イク、っはぁあああ!!」


絶頂の声が浴室に響き渡った。

最大に膨れ上がったぺニスからは、大量の精液が溢れ、お湯の中で白いかたまりとなる。

びゅくびゅくと長い射精が続き、ようやく最後まで出しきった櫂は、くったりと浴槽に身体を預けた。


「はぁっ、ぁっ、っはあ……!」


よっぽどの体力を使ったのだろう。

櫂の息は上がりきっていて、短く呼吸を繰り返していた。


「気持ちよかったですか?」

「ん、ああ……、気持ち、よかった……。」

「櫂。」


こんなときばっかり素直で困る。


「何だ……。」


僕は思いきり櫂を抱き締めた。

ぎゅぅぅ、という効果音がつきそうなほど強く。


「おいっ。混ざるだろう!」

「櫂の精液風呂なら大歓迎ですよ。」

「馬鹿かお前はっ……!」

「櫂はえっちじゃないですか!」

「うるさい!!」


ああ、僕は本当にしあわせだ。


end



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小さい頃お風呂のことは「ちゃぽ」って言ってました。
M櫂くんばっかりですみません!
2011.12.03

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