「お風呂に入りたいですね。」


叱られる…というか、脅されると思っていた俺は、レンの突然の提案に驚いてしまった。

溢した罰です、と恐ろしく笑うとばかり思っていたからだ。

さらには例の「もっと美味しいもの」を飲まされる事態になるとまで考えていた。


「風呂だな。わかった、沸かしてくる。」


気まぐれのレンのことだ。

気が変わらないうちに行動に移そう。

俺は早速風呂を沸かすために立ち上がった。


「櫂。」


後ろから呼び止められる。

俺は振り向きもせずに返事をした。


「なんだ。」


あまり真剣に話を聞くのは、レンの気まぐれに加担しかねない。

ここは何気なく、自然に対応するのが良策だろう。

レンはなぜか俺の後ろをついてきた。


「……なんだ。」

「ふふっ。落ち着いてるなぁと思いまして。」


そう言うレンは本当に「たのしそう」だった。

背中に寒気が走り、思わず後ろを振り返った。

目が笑っていない。


「櫂。」


ふんわりと髪を撫でられる。


「次は溢しちゃだめですよ。」


俺は拒まない。


「ああ……。」


レンの不思議なペースに巻き込まれるのは、結構好きだったりする。






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色々やったあと櫂くんの料理タイムがありましたってことで!!
2011.11.29

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