※匿名リクエスト
燐が幼児化して雪→燐←アマ
燐がちっちゃくなりました。
「いやいや、納得できないから!ご都合主義もいいとこだよ!」
「燐、かわいいです」
そこには15歳の燐はおらず、代わりにいたのは推定5・6歳の幼稚園児らしき燐。
体操着なようなものを着ており、ネームプレートには『りん』と可愛らしい字で書かれてあった。
おそらく幼稚園に居た燐がこちらの世界にきているのだろう。
辺りをきょろきょろ見渡して、不安に震える姿はなんとも愛らしい。
「ここ…どこだよ…」
怯えるのもそのはず、写るのは園内ではなく燐と雪男の部屋である寮の一室。
今にも大きな瞳からは雫がこぼれそうだ。
そんな燐をよそに雪男はただ身体を震わしていた。
毎日眺めている写真ではない本物のショタ燐に雪男が興奮を抑えることなどできるはずもなく、我慢できないとでもいうかのように声を掛けた。
「兄さん!」
たまらず屈んで小さな身体を抱き締めれば、びくりと震え、安心させるために優しい声で僕だよ、と声をかけた。
「え…雪男?」
「うん、そうだよ兄さん」
「でもでっかいぞ」
「10年後の僕だからね、多分」
「ほんとだ!雪男とホクロが一緒だ!ほんとに雪男なんだな!」
「え………ほくろ…」
落胆の色を隠せない雪男を他所に、きゃいきゃい、と騒ぐ姿は先程の迷える子犬のように弱々しかったものとはうって変わってとても楽しそうである。
知らない場所で、弟である雪男が傍に居たことは心強いのであろう。
やっと安心し、余裕がでてきたところで燐は先程からこちらを見詰めていた少年に声を掛けた。
「お兄ちゃんは誰なんだ?雪男の友達か?」
「……友達じゃないです。僕はアマイモンです」
「…ひっ!」
そう言うと一気に距離を詰めたアマイモンに驚いた燐はすばやく雪男の背後に隠れた。
時折ちらちらとこちらの様子を伺っている。
「残念だったね。このとおり兄さんは僕が大好きみたいで」
「ばっ……!別に大好きじゃ…ねーよ!」
顔を赤く染めているため全く説得力の欠片もない。
身長差があるため雪男からは目を潤ませて上目使いをする様は破壊力抜群であった。
その様子はアマイモンにとって面白いはずもなく、不機嫌を隠そうともせず、眉を寄せて思索する。
「あ、燐はお菓子欲しいですか?」
「欲しい!」
アマイモンが懐から彩りのお菓子を差し出すと、燐は目を輝かせながら少年に駆け寄った。
雪男の後ろに隠れていたのが嘘のようである。
「たくさんあるから一緒に食べましょうね」
残念でした、と燐の頭を撫でながら勝ち誇った顔で雪男ににやりと笑みを浮かべた。
一方雪男は悔しそうに唇を噛みしめた。
「にっ…兄さん!僕のこと好きなんじゃなかったの!」
焦った口調でそう責め立てた。
お菓子なんかに負けてたまるか。
「え?お菓子の方がいい」
項垂れ今にも灰となって消えそうな雪男と、仲良く談笑しながらお菓子を食べていた2人を見詰めていた1人の悪魔がいた。
悪魔―――――メフィストが参戦するまであと1分前。
111222
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そして三つ巴のカオスに。
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