※R15 ちょいエロです。









ご飯を食べ終え空が夕闇に染まったころ、雪男は帰ってきた。
心なしか疲れているように見える。

俺とやる暇あったら寝ればいいのにと思ったが、口には出さないでおく。


「雪男、おかえりー」

ベットで雪男のSQを読みながら、声をかける。

「ただいま兄さん」

「ちょっと待ってろ。ご飯温め直して持ってくるから」

読みかけのSQを閉じ、ベットの隅に放り投げる。
それから、調理場に向かおうとベットから起き上がり――――







かけたはずなのに、眼前には雪男の顔があった。



ぎし、と2人分の体重を支えるベットが嫌な音を立てる。
あれ、と一瞬疑問に思ったが自分は押し倒されたのだと納得した。

「飯食わないのか?」

「いい、あとで食べるから」

「だから、しようよ?」



兄さん。




考えないようにして忘れていた昼間志摩に言われた言葉を思い出す。

しかし、その熱を孕んだ声に心臓がざわざわし、そんな言葉は熱に溶けてなくなっていた。






Tシャツの隙間から雪男の指が滑り込み、胸をなでまわす。
触れるか触れないかの軽く優しい愛撫にじれったくなる。

そしていつのまにか、胸の飾りは赤く腫れ上がり、身体の奥からじわじわと熱があがり身体の疼きを感じる。


「ふふ、兄さんもうこんなになってる」

「ばかやろっ………こんな風にしたのは雪男だろうが…!」

クスクスと笑われ、羞恥に顔を赤くする。

ぴん、と指で弾かれれば口からは甘い声が漏れる。

雪男はTシャツを俺の首あたりまでたくしあげ、今度は舌でなめ回してきた。
ぬるぬるとした粘液が指で触れられていた時よりも快感を煽る。


「ゆ…雪男っ」


息を吐いているような掠れた声で呼べば視線だけをこちらに向けてくる。
ちらりと覗く真っ赤な舌がひどく官能的である。


すでに自分のモノはギチギチとはりつめていて、固いジーンズが窮屈で苦しい。

示すように雪男の手をそこに持っていけば、通じたらしくゆるゆると上から下へ包み込むように撫でられる。


「はっ……んぅ……」


膨れ上がる快感に自然と腰がゆらゆら揺れる。
だんだんと自分がわからなくなりそうで、恐怖を覚えた。

すがるように首に手を回し、身体を少し浮かせキスをしようとする。
だが、それは叶わず雪男の掌にぶつかった。


なんで、と訴えるように視線を送れば「兄さん」と咎めるように言われる。


ガラス越しから見えたその瞳は鋭く俺を突き刺した。
同時にとふわふわと快楽に埋もれていた意識が急激に覚醒する。





何をしているんだ。
恋人でもなんでもないのにキスを求めるなんて。


思い返せば一度も雪男とキスをしていなかったことに気が付く。
そして、自分は心が通っていない行為をしているのだと改めて突き付けられた。
今までしっかりと向き合わず、ただ気持ち良いからと知らん振りをしていた。

これじゃあ、ただの自慰行為と同じだ。



熱に溶けていた志摩の言葉が再び形作られる。



『いや、それってその相手の子好きだからやないの?』



俺は雪男が好きなのか。
その気持ちはよく身体に馴染んだ。

認めてしまうと、今まであったもやもやが嘘のように消え去る。

俺は雪男に恋人して扱われたいんだ。




すると、今も続けられる愛撫に嫌悪を感じる。
しかし、長年雪男に慣らされた身体は皮肉にも素直に反応を示した。


「あっ…や…だあ…」


あがっていく熱と反比例し、心は凍えるように寒かった。


視界いっぱいに広がる光景から目を反らすように腕で目を覆い隠す。

覆い隠す袖にシミができる。
いつの間にか泣いていたようだ。

生理的なものなのか、悲しみからなのか。
もうそんなことはどうでもよかった。




ただ、早くこの行為が終わることを願った。






110506
.........................

これセーフだよね…?
どの程度okなのかぶっちゃけわかりません←


←back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -