※12様リクエスト
童話パロで燐総受け気味の雪燐
あまりの息苦しさに目を覚ました。
少しでも楽になろうと身をよじるが、何かに阻まれ身動きができない。
仕方なく緩慢な動きで二三度瞬くとだんだんに外の光に目が馴染んだ。
先程から気になっていた腹部に感じる重みに目を向ければ燐の身体はアマイモンにがっちりとホールドされていた。
そして、左右にはメフィストと雪男。
いい加減当たり前のように俺のベットに忍び込むのはやめていただきたい、と燐は1つ息を吐いた。
「おい、おまえら起きろー!」
上半身を起こすことも叶わないので、声だけで促す。それでも、彼らは動かない。
「飯抜きにするぞ」
「それは困ります」
メフィストがすばやく返事をすると、アマイモン、雪男も仕方がないといった風に起き出した。
狸寝入りだったようである。
「起きてるんだったら、さっさと起きろよな」
やっとのことで身体を起こすことのできた燐は、くあと大きく口を開けて欠伸をし、台所に向かって姿を消した。
白雪姫――燐の自室に残された彼らは、しばらく黙っていたが糸が切れたように喋りだした。
「なんでお前らが兄さんの部屋にいるんだ」
「貴方こそ夜這いはやめたほうがいいのでは」
「兄さんは僕のだからいいんだよ」
「燐は僕のです!」
「なら、交代制はどうでしょう」
「獣が何をするかわからないから却下です」
いつものように誰1人譲らない。
解決することなんてない問題をぎゃあぎゃあ議論していると、先程消えた燐が怒り心頭にやってきた。
「お前ら飯抜き!」
「「「ごめんなさい!」」」
◇
『白雪姫について。』
勝呂の場合
「うわっ、皿割っちまった…」
「おい、動くなや。あぶねぇだろ」
心配性おとん。
志摩の場合
「奥村くーん!」
「ばっ…!ケツさわんなっていつも言ってるだろ変態!」
セクハラ変態おやじ。
小猫丸の場合
「これどうしたらいいんだ?」
「そうですね、これにはコツがあって……」
あれ?百合…?
しえみの場合
「燐すごーい!」
「ふふん、そうだろそうだろー!」
まったり、ほのぼの。
出雲の場合
「ほら、これあんたが欲しがってたやつ」
「ありがとうまろまゆ!助かったぜ!」
「別にあんたのためじゃないし、たまたまあったからなんだからね!」
ツンデレ。
アマイモン、メフィストは言わずもがな。
◇
「まったくどいつもこいつも兄さんを好きになりやがって」
小人たちについて改めて推測したが、どれも腹立たしいものばかりだ。
まあ、好きだけど素直になれない奴らもいるからまだましか。
7人いるから倍率は……いや、王子様(アーサー)をいれると倍率は8倍。
結構な数字である。
「素直じゃないし、悪魔だし、どこにモテる要素があるんだ」
口に出さずにはいられなかった。
そんなの僕が一番わかっているけれど。
ぜんぶ、ぜーんぶ兄さんのせいだ。
手に入られるのはいつになることやら。
111225
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童話白雪姫で小人+王子様×白雪姫でした。
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