-番外編3-
たまおは國彦と慶吾に挟まれて眠るのが好きだった。慶吾は夜に働いているため、3人一緒に眠りに就くことができるのは週に1度か2度だけである。
そのようなわけで、今夜のたまおは先に布団に入っていた國彦に張り付き、嬉しさから小さく足をばたつかせていた。
「たまおちゃん」
少し遅れて寝室へ入ってきた慶吾が、枕元からたまおに声を掛ける。 たまおが視線で答えると、慶吾は「場所代わって」と強引に國彦との間に潜り込んできた。
「欲求不満なの」 「よっきゅう」 「たまおちゃんは寝てな。ハイお休み」
慶吾はややなおざりにたまおの髪を撫で、額にキスをした。
「けーごおやすみ」
察したのか、たまおは素直に反対側へ寝返りを打つ。
「國彦さん……」
慶吾は直ぐ様國彦へ擦り寄る。のしかかるようにしてキスをねだった。
「たまおが見てるだろ」 「たまおねてる」
背を向けたままたまおが言う。
「ほら、寝てるって」 「………」
妙なところで結託するたまおと慶吾に國彦が呆れている間に、慶吾の手は早くも寝間着の裾から侵入して國彦の胸板を撫で回していた。
「ね、國彦さん……」
慶吾が熱っぽく囁く。
「若いな」 「若いもん。あんま放っとかれるとカラダが寂しい」 「がっつくなよ」 「無理……大好き。めろめろ」 「……有難う」
國彦は諦めたように恋人の頭を引き寄せた。すっかり興奮した慶吾は、キスだけで身悶え、喘ぎ声さえ上げる。
背後で行われていることが気にならないわけではなかったが、部屋が暗くなるとたまおは自然と眠くなってしまう。 布団の隅で身体を丸め、大好きな2人が睦み合う声を子守唄に、たまおは夢の世界へ旅立ったのだった。
おわり。
-------------- *デレデレ慶吾。「なおざり」と「おざなり」はいつもわかんなくなる。
ようやく番外編終了です。次回から本編再開でございます。
(2010/05/28)
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