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*ちょっぴり性描写入ります(年齢制限はありません)。
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 7時過ぎになって國彦がいそいそと帰宅すると、仲良く1枚のブランケットにくるまった慶吾とたまおが居間の畳の上で寝息を立てていた。

 物音に気付き、横向きに身体を丸めるたまおに背後からぴったりと寄り添っていた慶吾が身を起こす。

「國彦さんお帰り」

 ブランケットをたまおにかけ直してやりながら長めの黒髪を掻き上げる慶吾に発作的な愛情が込み上げ、國彦はその傍らへ膝をついて抱き寄せる。

 一瞬固まった後、慶吾は渾身の力で恋人に抱きついた。荒々しい動作で上着の背をきつく掴み、髪を掻き回し、首筋や耳に痕が残るほど歯を立てる。匂いを嗅ぐ。興奮した獣のようにひと通り國彦を味わい尽くすと、腕の中で切なげに目を閉じて動かなくなった。

 國彦は対照的な優しい仕種で慶吾の頬に手を添え、唇を重ねる。押しあてるだけのキスを何度か繰り返してから舌先でそっと唇をなぞる。慶吾の唇が自然にほどけ、白い歯と赤い舌が覗いた。わざと唇だけを愛撫し続けると慶吾は焦れたように舌を突き出す。濡れた舌を國彦は左手の親指とひとさし指で軽く摘んだ。そのまま舌の中心の窪みをなぞるように指を奥へ進めると、敏感な粘膜を指で触られる感覚に慶吾が慄えた。唾液が零れるのも気にせず、息を荒げながら夢中で國彦の指を味わう。静かな狂乱だった。

「くに、ひこさん……、キス、キスして、死んじゃう」

 やがて息も絶え絶えに慶吾が懇願すると、國彦は歯形のついた指を口から引き抜き、力の入らなくなった慶吾の身体を畳へ横たえた。眼鏡を外して乱暴に脇へ退けると慶吾に覆い被さるようにしてくちづけ、差し出された舌を口内へ迎え入れて愛撫する。唾液に塗れた指を部屋着のウェストから潜り込ませ、張り詰めた部分を握り込む。慶吾は啜り泣きのような声を上げて身悶えた。

(2010/04/08)


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