※学パロ


アントーニョと付き合い始めて半年と少し。「来週俺ん家来ん?」家に誘われたのが1週間前。そのときから覚悟は決めてたし、下着だっておろしたての派手すぎず地味すぎずなお気に入りのものをつけてきた。

アントーニョの部屋にはソファがないからベッドに2人並んで腰掛け、お茶を飲んだり漫画を読んだり学校や友達のことを話したり。それからアントーニョがわたしのことをじっと見つめて、(あ、キスされるのかな)そう思った時にはもう唇が重なっていた。だんだんそれは深くなって、アントーニョが体重をかけてきたのが分かったから力を抜いてそのままベッドにどさりと倒れる。


「なあ、ええ?」


唇が離れて、アントーニョはわたしを見下ろしながら熱っぽい視線で聞いてきた。わたしだって覚悟はしてたわけだし、そんな聞き方されて断れるはずがない。


「…うん」
 
 
わたしが答えるとアントーニョは薄く笑ってまたキスをする。Tシャツの裾から熱いアントーニョの手が入ってきて、びくりと少しだけ肩が上がった。


「大丈夫やから」

「だ、だって…」


またアントーニョが笑う。かと思えば、シャツの中から背中に手を回し、器用に片手でブラのホックを外された。胸の締め付けが消え、恥ずかしさに堪らなくなって目をぎゅうとつむる。アントーニョはそれを違うふうに取ったらしい。手を止めてわたしから少し離れた。


「…もし嫌なら、やめるで」

「嫌じゃ、ない」


嫌じゃない。わたしだってアントーニョにもっと触れて欲しいとか、繋がりたいとか、絶対に口には出さないけれど思ってる。ただ、わたしの心臓がもたないかもしれない。ばかみたいにそう思った。アントーニョはいつもよりもすごく色っぽくて、そんな彼に今まで自分でも触れたことのないような場所に触れられて一つになるんだと思うと心臓がぎゅうと締め付けられそうになる。100m全力疾走したみたいに、鼓動も速かった。
 
 
「…嫌じゃないけど、どきどきしすぎて、死にそう」

「俺もや」


アントーニョはわたしの手を掴んで、自分の胸へ持って行った。暖かいそこは、確かにわたしと同じくらい鼓動が速い。アントーニョも緊張しているのだと思うと、どうしようもなく愛しさが込み上げてきた。アントーニョの首に手を回しぎゅうと抱き着く。アントーニョが笑って「できるだけ優しくするからな」とわたしの頭をくしゃりと撫でた。

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