あまりに暑いもんだから、もう二度と冬は来ないんじゃないかって思った。そんなわけないけど。

「あちーな」
「そうですねィ」

湿気が多いとふだん以上に髪がはねるから、と旦那の機嫌はいささかよろしくない。

「いーな、髪さらさらで。」

旦那の指がぶっきらぼうに、だけどやわらかく自分の栗色の髪をすいた。一瞬のことなのに、永遠性を孕んでいるみたいに。

俺ののんきな気持ちだけが、そこで季節においてきぼりをくらって佇んでいる。



レイニーブルー
100708
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -