恋ってこんな苦しいもんだったっけ?なーんて女々しいことを考えてる今日この頃。だってふつーに考えて副長かっこいいし、女に困ったことなさそうだし、ていうか俺男だし地味だし、…勝ち目なくね?ってなる。やべ、かなしいわー。


「おい、なにぼんやりしてんだよ」
「、った!叩かなくてもいいじゃないですか…」

いつの間に背後にいたのか、ぼーとしていたら副長に資料で叩かれた。痛いです、地味に。

「ぼんやりすることくらいありますよう」
「おまえはわりといつもぼんやりした顔してるけどな」
「…それどーゆー意味ですか」

イヤミを言う副長を睨んでみるけど、「睨んでもちっとも迫力ねえな」とあっさり流された。なにがおかしいのかにやにや笑っている。
そんな表情でさえ、ああ、かっこいいなあ、なんて。

「悩みでもあんのかよ」
「べつにー」
「生意気」
「沖田さんよりマシですよ」
「で、なんかあったのか?」
「…内緒です」

言えるわけないじゃないですか、そんなん。

「ふーん」

ま、なんでもいいけどよ、
そう言って俺の頭をがしがし撫でた。
こういうときに、俺ってかわいがってもらってるよなってうぬぼれる。

知ってますか、女の子って男に頭撫でられると惚れちゃうんですって。
ぐしゃぐしゃになった髪を整えながら見上げた副長はやっぱりにやけてて、俺はつい見とれちまった。



なんで人はわざわざ恋なんかしたがるんだろうかね。こんな苦しくて、なのにうれしくて、難しいのにさ。
だけどいくら考えたっていつも同じ答えにたどり着く。

なにを言っても好きなもんは、好きなんだよなあ、って。

自分に向けられた笑顔だけでしあわせになれるなんて、すげえ偉大だよ俺の恋心。





幸あれ!
101101
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