「明日も雨?」
「明日も雨。」

つまんないの。せっかくのお休みなのに、外でデートできないのは残念。私のため息が電話越しに聞こえたらしく、タカ丸さんは笑った。「ため息吐いたらしあわせが逃げちゃうよ」って。

「だって楽しみにしてたんですよ。一緒に遊園地行くの。」
「でも天気予報では雨って言ってたんだからさ、次の機会にしようよ。ね?」

まあ、タカ丸さんに文句を言ったからって晴れるわけじゃないのは分かってる。うん。

「明日はうちにおいでよ、綾ちゃんが観たいって言ってたDVD借りてあるし、遊園地よりもふたりでゆっくりできるでしょ?」
「…タカ丸さんが、そう言うなら」
「そのほうが綾ちゃんをひとりじめできるし」
「それは私のセリフですよ。」

タカ丸さんはよく知ってる、私の扱い方。私も私で、タカ丸さんの一言があればすぐに元気が出るし機嫌だってなおる。泣いてたって笑顔になれるし、鉛だって輝いて見えるし、雨の日だって晴れに変えちゃうような、タカ丸さんのことば。

それは、きっとタカ丸さんだけがかけられる、魔法みたいなもの。私だけが知ってる。




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