<ある学級委員長の
クラスノートより抜粋>



私のクラスには、変わった男子生徒が二人います。名前はウルキオラくんとグリムジョーくん。名前からしてどこの人?という感じですがグリムジョーくんなんか髪の毛がめちゃくちゃきれいな水色でもはや人間なのかと疑ってしまいます。

じゃあまずはグリムジョーくんの話から。

彼はいわゆる不良です。チンピラです。すぐ喧嘩をするからいつもどこかしら怪我をしています。授業をちゃんと聞いていたことなんかあるのか謎です。でもあんまりサボったりはせず、一応席には座ってヘッドホンをしながら寝ています。ヘッドホンは体の一部なのかと思うくらいいつも付けています。水色頭は地毛らしいです。やっぱり人間じゃないと思います。

そんなグリムジョーくんはことあるごとにある生徒につっかかります。それがもう一人の、ウルキオラくんです。

ウルキオラくんは真面目です。どんなつまらない授業も、目を見開いてしっかり黒板を見据えています。そして無口です。クラスの男子たちがどんなにばか騒ぎをしていようと、ほとんど興味がないみたいです。あまりに無口なので、はじめは何か怒っているのかとも思いましたがそうではなく、ただただ周りのことへの関心が薄い人です。

で、グリムジョーくんはそんなウルキオラくんにすぐちょっかいをかけます。

バスケの時間にはやたら攻撃的なパスをしてみたり、授業中に気づかれないように背中に付箋を貼っつけてみたり、ウルキオラくんが本を読んでいたらそれを取り上げてみたり、エトセトラ。小学生のイタズラか!とつっこみたいところですがそんなことをしたら私の未来が抹消されそうなのでなにがあっても言えませんが、そんなかんじです。

そんな子どもっぽいイタズラをされているウルキオラくんはどうしているかといえば、その場では黙って受け流します。でもすぐに反撃します。さらに攻撃的なボールをグリムジョーくんの顔面にパスしたり、自分が貼られた三倍の量の付箋を彼の制服のズボンの後ろに貼っつけてやったり、グリムジョーくんが読んでいた雑誌を唐突に引きちぎったり、エトセトラ。
負けず劣らず小学生みたいな仕返しです。

でも私はこっそり思います。本当は、彼らはとても仲が良いんじゃないだろうかと。
あの不良のグリムジョーくんがまともに話すのはウルキオラくんだけだし、無言なウルキオラくんがまともに話すのもグリムジョーくんだけなのです。

二人のやりとりはなかなかバイオレンスだったりもしますが、とりあえずクラスメートに危害が及ばない限りは、そのアイデンティティーを惜しみなくさらけ出してくださいといったところでしょうか。


私のクラスの変わった二人は、今日も仲良くじゃれあっています。




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