毎朝の日課

毎朝の日課
大好きな貴方を…
起こしに行くこと
これが
私の毎朝の日課

朝が弱い貴方を起こすことが


「うーんっ。」

フィールは、目を覚ますと起き上がりベッドの上で体を伸ばした。
服を着替えるために、のそのそとベッドから降りた。
そして、クローゼットを開け、中に入っている服を適当に掴み着替えた。
服を着替え終えると、そそくさと自室を後にした。
フィールが歩く度にカツカツと靴のヒールの音が船内に響いた。
そして、目当ての部屋に辿りつくと、足で荒々しくドアをノックした。

「お頭、入りますよ。」

と言いながら、ガチャリとドアを開けた。
開けたドアから、中に入るとまだキッドは、眠っていた。

「やっぱり、まだ寝てる。」

フィールは、寝ているキッドを見ながら微笑みゆっくりと、近づいた。
そして、先ほどドアをノックした時と違い優しく肩に触れゆっくりと揺らした。

「朝ですよ、起きてください。」

しかし、キッドは一向に起きる気配がなかった。

「起きてくださいよー」

揺らしている手を一旦止め…

「起きないと、キスしちゃいますよ。」

肩に置いていた手をゆっくりと顔のほうに移動させた。
そして、指で優しく唇に触れた。
その触れていた指を離すと、ゆっくりと顔を近づけ…
触れるだけのキスを落とした。

「し…しちゃった。」

口を手で押さえ、フィールは一人照れていた。

「……フィール」

「えっ…お頭、起きてます?」

そっとキッドに近寄り、顔を覗き込んだ。
けれどキッドは、規則正しく寝息を立ててまだ眠っていた。

「今のもしかして、寝言…」

そう言って「しょうがないなぁ、もう少しだけ寝かしときますか」とキッドの寝顔を見ながら髪を撫で微笑んだ。



(fin)
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