その顔好きだな
+狂愛
「ぐっ……あぁ…」
静かな部屋にフィールの声にならない悲鳴が聞こえ。
キッドは、馬乗りになり容赦なく首を絞めた。
苦痛に歪むフィールの顔見つめ、キッドは緩やかに口角を上げた。
パクパクと酸素を吸おうと開口が繰り返される。
ギリギリッと絞められ、意識が飛びそうなった瞬間…
パッと手が放された。
「ゴホッゴホッ…はぁはぁ」
噎せながらフィールは、酸素を必死に吸い込んだ。
馬乗りになっているキッドを見上げた。
「キ…キッド…どうし…て。」
弱々しく紡がれ、フィールの大きな瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。
「んなの、決まってんだろう。」
そう言うと、フィールの細い首にくっきりとついた指の痕を優しい手つきで撫でそっとフィールの耳元で…
「フィールのその顔が、好きなんだよ。
苦痛に歪む顔がな。」
と酷く優しい声色で言い放った。
楽しそうに言ったキッドとは反対に、フィールは瞳を大きく見開いた。
キッドは、フィールの唇に口づけを落とした。
首に手をかけ、ゆっくりと力をいれた。
部屋にはまた、フィールのくぐもった声が静かに響いた。
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確かに恋だった様より
『愛してるから壊したい』