spring breeze

大きな木の下ですぅすぅと寝息を立てフィールは、眠っていた。
春の心地よい風がさらさらと、葉を揺らしながら彼女の頬を撫でる。
暫く経ち、フィールが目を覚ますとキラーが此方に向かって歩いて来るのが見えた。

「フィールこんな所にいたのか。」

と言うとキラーは、ドッサリッとフィールの隣に腰を下ろした。

「はい、風が心地よくって。
お昼寝するには最適の場所を見つけたので。」

キラーの方を向き微笑みながら言った。

「そのようだな。」

絶えず吹く優しい風は、サラサラと二人の髪を揺らした。

「キラーさんも寝てみます?」

と言うとポンポンと自分の膝を叩いた。

「ん?何だ。」

「膝枕してあげます。」

満面の笑みを浮かべた。
キラーは、フッと仮面の中で微笑む。
そして、ゆっくりとフィールの膝に頭を置いた。

「確かに、寝転ぶと気持ちいな。」

穏やかなキラーの声がフィールの耳に届いた。

「眠っても良いですから。」

と言い地面に広がるキラーの髪に触れた。
優しい温もりに包まれ、キラーはゆっくりと目を閉じた。

「おやすみなさい、キラーさん。」

穏やかな春の風が二人を優しく包み込んだ。



(fin)

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