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放課後星章学園の裏門に来てください!!


このメッセージへの不安を拭えないまま早朝氷浦くんの付き添いをしてそして授業を受けてとしているうちにあっと言う間に放課後になった。因みにこの後なんで[裏門集合なの?]と聞いたトークに対する返事は[ヒミツですっ!]だった。絶対これよくないやつ、ヤバいフラグ立ってる。なんて不安を爆発させながら電車に乗って星章学園の最寄り駅までガタンゴトンと揺られる。でも乗っているうちに不安が一周して裏門で春菜ちゃんに告白でもされるんじゃないかなとかそんな気がしてきた。体育館裏ならぬ裏門告白、うん新しい、面白いぞ裏門告白!と思いながら星章学園の最寄駅で降りて星章学園の制服身に纏った生徒たちが駅に向かう中一人逆方向に歩いて行く。雷門の制服で目立つのか視線をビシバシ感じて居心地悪いな...と俯きながら歩いているうちに星章学園に到着した。立派な門構えを見上げるけど待ち合わせ場所は裏門だし誰かに裏門の場所聞かないとな....と思った矢先「ユカせーんぱいっ!」と門からひょっこりと春菜ちゃんが姿を見せた。

「はっ春菜ちゃん....!」
「えへへ、お久しぶりですねっ!」

なんで彼女が表門にいるのか、そして結局のところ私は何の目的でここに呼ばれたのか色々聞きたいことは山積みだったけど久々に見る春菜ちゃんの姿、そして変わらない笑顔に言葉を失いとりあえず私は春菜ちゃんに抱きつ.........くことは叶わず急に鞄を後ろから思い切り引かれた。

「目立つ行為は慎め。」

さてはお前鬼道有人だな、見ずともわかるぞと首を回すと案の定今日もステキなゴーグルを装着した鬼道がいた。春菜ちゃんとの感動の再会になんで着いてきた、そしてなんでハグキャンセルするんだ。シスコンがすぎるぞシスコーンでも食べてお家で待ってろ、因みに私はフロスト味に牛乳ましまし注いでふにゃふにゃにして食べるのが好き!と思っていると全部声に出ていたみたいで襟を思いっきり引っ張られて首が絞まる。

「うふふ、仲のいい二人見ると安心するな〜」
「春菜ちゃん私殺されかけてるんだけど!このままじゃお迎えにくる天使と仲良しになっちゃうよ!」

目立つ行動は慎めって言ったくせに進んで目立つことをしてる鬼道とそれを笑って見るだけの春菜ちゃんという早々やばい兄妹の餌食になったけど意外とすぐに開放してくれてその後裏門に案内された。因みに表門にいた理由を尋ねると「簡単なことだ。三宅は馬鹿だからな。」と端的に言われて納得したけど同時にドレッドを引きちぎりたくなった。いっぱいあるから一本くらいいいよね....と手を伸ばそうとしているうちに裏門から校舎の中に案内されて人気のない場所を通って着いた先は女子更衣室で春菜ちゃんに「はいどうぞ!」と紙袋を手渡された。

「え??」
「これに着替えて出てきてください!時間がないので3分以内で!」
「待って待って、着替えるってえ、私一体なにやらされるわけ??」
「案ずるな更衣室は貸切にしてあるから存分に使え。」
「鬼道の案ずるなって大体案ずる内容なんだけど自覚ある??てか私はそういうことを聞いてるんじゃなくて...」
「ユカ先輩残り2分ですよ!」
「嘘だ!!絶対嘘!!時間の測り方おかし....」
「残り1分だぞ三宅。」
「わかった!!着替えればいいんでしょ!!」

もう何も明かされてないままだけど言うことを聞くしかないと私は更衣室に入って紙袋の中を取り出して言われるがままに着替えた。そして雷門の制服を適当に畳んで紙袋に詰めて外に出ると春菜ちゃんの目がキラキラ輝く。

「すっっごくお似合いですよユカ先輩!!」
「ブレザー姿は確かに新鮮だな。」
「なんで私星章学園の制服着てるの....。」

パシャパシャとスマホのカメラに写真を収め出す春菜ちゃん、そして顎に手を当てて頷く鬼道に尋ねるけどまたもや無視されて次は女子トイレに連行された。

「トイレも貸切だから案ずることはないぞ。」
「鬼道の案ずるなもはやギャグだから早いうちに自覚した方がいいよ。」
「良いから行きますよユカ先輩!」

腕を引かれて女子トイレに連れられると鏡の前に立たされて春菜ちゃんが高速で三つ編みを編んでいく。「なんでこれ三つ編みしてるの...?」と尋ねると「存在感を消すためです!」と訳の分からない返事が返ってきてそんな会話をしているうちに二つの三つ編みが編まれて最後の仕上げだとアイライナーで目の下にホクロを描かれ度の入ってない眼鏡をかけさせらる。春菜ちゃんはそんな私の姿を頭からつま先までジッと見た後「我ながらいい感じです。」とグットポーズをして出口に向かって私の背中を押した。そんな春菜ちゃんに背中を押されるがままにトイレから出ると鬼道は「ほお...」と謎の感嘆の声を上げた。

「どうかなお兄ちゃん!」
「うむ...これならきっとバレないはずだ。」
「あの一体何の話して....」
「じゃあ最後の打ち合わせのためにミーティングルームに行くぞ。」
「今日の私の役目は二人のおもちゃなんですか、なんなんですか。」
「さあ行きますよ先輩〜!」

もう間違いなくおもちゃだ、着せ替え人形だ、リ◯ちゃん人形ならぬユカちゃん人形だと兄妹に腕を引かれるがままにミーティングに入れられる。
そして鬼道が「さて...」と言って私の方に向き直った。


「三宅、お前には今日一日星章学園のマネージャーをやってもらいたいんだがやってくれるか?」
「うん、順番!!!!断れない状況作り上げてからそれ言うのおかしいよね?普通雷門の制服着ている状態の時に三宅様どうぞお力添えを...!って頼み込むべきだよね、あと1500字ほど早く言うべきだったよねってことではい、やり直し、私が雷門の制服着てるところからやり直しってことでとりあえずここから出して。」
「ほお...制服まで着て随分やる気のようだな。」
「星章学園大丈夫??このゴーグルドレッドマントが強化委員で本当に強くなってる??練習時は全員ゴーグルマント着用とかめちゃくちゃなこと言われてない??ドレッド編めとか言われてない??大丈夫??」

もうツッコミが止まらなくて星章にきて恐らく30分も絶ってないのにもう疲れた。とりあえず星章学園購買の名物と喉が渇いたから水を持って来い、話はそれからだ。と思っているとガチャっとミーティングルームの扉が開き入ってきたのはやたらお洒落な服装をした背の高い男性だった....ってあ、この人監督だ、星章学園の久遠道也監督だ。星章学園戦でつくしちゃんと「ベンチにちゃんと日除けあるのに何で帽子被ってるんだろうね。」と話したのは記憶に新しい。


「鬼道、準備は....」

入ってきて早々鬼道の名前を呼んだ久遠監督だったけど監督の言葉は私を目にした瞬間止まった。そしてカツカツと一直線に私の方にやって来る、しかも真顔で。自分より数回り大きな大人がやって来るのは想像以上に怖いもので恐怖から心臓がうるさい。そして私のすぐ目の前までやってくると久遠監督の大きな手が伸びてきた。ひっ...!まさかぶん殴られる??部外者出てけ!!って首根っこ掴まれて放り投げられる!?私は悪くないんです全てはあそこにいる奇怪なゴーグルマント野郎が勝手にーーっっっ!!と咄嗟に目を瞑るけど衝撃はいつまでたってもやって来ず、代わりに首あたりからパチンと控えめな音がした。

「...第1ボタンが開いていたぞ。それと星章学園では靴下が白と指定されているからこれを履くように。」

どうやら久遠監督は空いていたらしい第1ボタンを閉めてくれたようで更に白い靴下まで支給してくれた。うまく状況が飲み込めないけどとりあえず「ありがとうございます....?」とお礼をいうと「今日は一日よろしく頼んだぞ三宅ユカ。」言って去って行った.......ってあれ、監督今私の名前.....。


「案ずるな、監督に話は通してある。」
「だから鬼道のそれ最早ギャグなんだってば。」