耳まで赤くしながら壁につけているバーナビーの両手が、ふるふると震えている。
背後に虎徹がいるので身動きがとれないのか、バーナビーは真っ赤な顔で振り返ってそのまま絶句した。
振り返ったタイミングで、バーナビーはあることに気付いてしまったのだ。
「………、何か、当たってる」
「あ?」
バーナビーが、首しか動きのとれない身体で下に視線を落とす。
確かめるようにしてバーナビーが少し虎徹に腰を擦り付けてみると、さらに大きい確信がうまれた。
「……勃っ…!」
そこまで言われて初めて、虎徹は自分の下半身の変化に気が付く。
「あー、勃っちまったわ」
「ちょ…っ!」
バーナビーの身体をすっぽりと抱きこんで密着した形の自分の立ち位置にも気が付いた虎徹が、そのまま少し腰を揺らす。
顔を真っ赤に染めたまま、バーナビーはどうにか虎徹から離れようともがいた。
「擦り付けないで下さい…セクハラですよ!!」
「人聞き悪いこと言うなよー、バニーちゃんだって勃ってんじゃん」
言いながら、直接触れているバーナビーの下半身のそれを、虎徹は意図した手付きで揉み始める。
「…っ離して下さい…」
「今離したら辛いのはバニーちゃんじゃないの?」
虎徹は、それを扱く左手を忙しく動かしたが、それでもまだ腕の中で暴れるバーナビーの様子を見て、今度は右手でその腰を触り始めた。
すべらかな腰を撫でさすっていた右手の指の腹が引っかかった場所にそのまま指先を進めてみる。
「…ぁあっ」
ずず、とそのまま指を根元まで納め、気がつくと抱きこんだバーナビーの身体が声も出ない様子でひくひくと震えていた。出来心でのこの行為は声が出ないなら好都合である。
熱い穴の中で指を出し入れしてみるとバーナビーの震えが酷くなり、虎徹の左手の中にある彼のものが急速に硬く熱くなった。
「…は、ぅ…」
「大丈夫か?」
ここまでしておいて今更「大丈夫か」なんて聞くのも滑稽だな、と虎徹は自分でも思った。
「……ぁ…」
不意に、しおらしいとしか言いようのない吐息をバーナビーが漏らしたので、その様子の変わりように本当に大丈夫なのかと覗き込んだ虎徹は、胸にどこか致命的なほどの衝撃を受けた。
手を震わせながら壁に縋りつき、眉宇を寄せきつく目を閉じて唇を噛んでいるバーナビーの端正な横顔の風情は、可憐というか有り得なく扇情的だった。
そんなバーナビーの様子をみた自分の身体が熱い。虎徹は、主に下半身に熱が溜まっていくのを感じた。
「あっ…」
再び吐き出される熱い吐息に、虎徹の理性がどんどん奪われていく。
(……挿れたい)
でも流石にそれは、と虎徹はなけなしの理性を総動員させて行為を留める。
頭の端で今更見当外れに煩悶するうち、無意識に虎徹の右手が蜜壷にもぐりこむ指の数を増やしていた。
俯いて壁に縋っていたバーナビーの身体が、指が増えるたびに反り返るようにのけぞる。可哀想なくらいに震える体を抑えきれないようだった。