変なものを貰った。
何に使うのかが全くわからない。
ヒーローアカデミーに、自分のファンクラブなるものが存在する。
僕自身、何故そんなものが存在するのか全然わからないのだが、結構な人数が所属しているらしい。
そんなファンクラブの人達に「クラブに顔も出してくれ」と頼まれ、別に断る理由も無かったので、今日の放課後はそのクラブに顔を出したのだ。
精神的に疲れるところがあったが、色々な人と話して来た。その中で、何人かが自分に贈り物をして来たのだ。
帰ってから包みを開けてみたところ、そのほとんどが刺繍の入ったタオルや、アクセサリー類などだった。
(…なんだこれ)
その中に一つだけ、用途が全くわからないものがあった。
筒状の、何か。
ネットで調べようにも、なんて検索すれば良いのかわからず、完全にそれが何かわからなくなってしまった。
「…ということなんです」
「そうか」
僕は、それを持ってマーベリックさんの部屋へと来ていた。
知らないことを聞けばなんでも答えてくれる、辞書のような人だ。
でも、何故かマーベリックさんは神妙な面立ちでそれを見ていた。
「…バーナビー、これが何か、知りたいのか?」
「…?はい、知りたい…です」
何か、変なものなのだろうか。
マーベリックさんは、少し躊躇う様子を見せてから、僕に言った。
「ズボンを脱ぎなさい」
「…え?」
予想外すぎるマーベリックさんの言葉に、僕は瞠目した。
この筒状のそれと、ズボンを脱ぐ事に、なんの関係があるのか。
勿論そんなの恥ずかしいし、出来るわけがない。でも、
「私の言うことが聞けないのかな?」
と言われてしまえば、従う他無い。
身寄りの無い僕にとって、マーベリックさんは全てだった。
「…っ、脱ぎます」
「良い子だね」
椅子に座るマーベリックさんに頭を優しく撫でられながら、僕はズボンを脱いだ。
下着もだと言われて、戸惑いながらも下半身を露出させた。
「…あの、それで…それは、なんなんですか?」
「これはね、こうやって使うんだよ」
いつの間にか香油のようなもので、マーベリックさんは筒状の何かを湿らせていた。
マーベリックさんが僕の、あろうことか性器を手にとった。
「…!っえ、あの、」
慌ててその手を両手で掴んだが、マーベリックさんは小さく笑っただけだった。
「よく見ていなさい」