「問題はどっちが挿れるかだな」

ムードも何もあったものでは無い。

「あなたの身体、慣れてないでしょう?痛いのは嫌ですから」
「俺に挿れんのか」
「大丈夫ですよ、僕の身体は慣れてます」

虎徹をベッドに寝かせて、バーナビーはその身体に跨がる。

バーナビーが黙々と脱衣していくのを、虎徹は複雑な気持ちで見ていた。

「お前…人の身体だからって何の恥じらいもなく脱ぐなよ…」

こっちが恥ずかしいから、と虎徹に服を掴まれたバーナビーは、怪訝そうな顔で彼を見た。

「脱がないと出来ないでしょう?」
「そりゃそうだけど…うーん」
「さ、あなたも脱いで下さい」

最初は乗り気じゃなかったわりに順応力の高いバーナビーは、いつのまにか先導を握っていた。

お互い全裸になって、横たわる虎徹の穴に、バーナビーは自身を宛がう。

「…挿れますよ?」
「……来い」

バーナビーの身体はすぐに虎徹の性器を飲み込むべく広がり始める。
が、バーナビーはそれ以上入って来ようとしない。

「…どした?」

宛がったものを後孔から完全に引き離したバーナビーに、虎徹は横たわったまま聞く。

「………怖い」
「あ?」
「……怖い、です」

自分の身体に挿入させるのが怖いのだろうか、とも考えたが、すぐに察する。

「……そっか!お前、童貞だもんな、挿れたこと無いもんな!」
「からかってるんですか!もう良いです、先輩が挿れて下さい!」

ぽすんと身体をベッドに沈ませ、バーナビーは拗ねたように口を尖らせた。
虎徹は上半身を起こして苦笑すると、自分の姿のバーナビーの脚を広げる。

「…じゃあ挿れるぞ、指からな」
「はい…」

虎徹の身体はまだ後孔に挿れられた事がない。
バーナビーは、これから再び訪れる"初めて"の感覚に身構えた。

つぷ、と指が入ってくる。

「…ん、あ……っ」

内壁を擦る指が与えてくる刺激に、バーナビーは短く喘ぐ。
初めてなので狭いしきついが、それでも身体は貪欲に快楽を拾っていった。

「あ、あ……」

虎徹がバーナビーの前も扱きながら指を動かすと、穴はどんどん広がっていき、簡単に2本を飲み込めるようになる。

少しきついが指を3本に増やし、虎徹はバーナビーの中で指をバラバラに動かす。
そのうちに中の一点を指が摩り、バーナビーは一際大きな嬌声を上げた。

「あ、あぁあっ!」
「……」

ずる、と全ての指がバーナビーの後孔から抜けた。
その感覚でさえ快楽となり、バーナビーは身震いをした。

「…どう、したんですか?」
「あー、なんか自分が目の前で喘いでるからさ…」

そう、先程から虎徹が刺激を与えているのは、虎徹の身体なのだ。
自分の指に対する喘ぎ声も、艶やかな表情も、全てが自分の声だし自分の姿だ。

「これは萎える…」
「…ごめんなさい……」

いやいやバニーちゃんは悪くねぇだろ、と虎徹が笑うが、バーナビーの表情は浮かないままだ。

「じゃあさ、こうしようぜ」

虎徹がテーブルから2枚のタオルを取り出す。
言わんとしていることは、バーナビーも手にとるようにわかった。

すぐに、バーナビーは虎徹に目隠しをされる。
視界に黒が訪れた。

「…先輩は?」
「俺も付けた。これならあんま気になんねぇだろ?」
「…はい」

じゃあ、と虎徹が先端をバーナビーの後孔に押し当てた。




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