目隠しが外された眼で、今更ながら自分が全裸であることと、後孔に挿されたものが電動式のローターであることが確認出来た。
それから、今自分が縛られ座らされているのは、机の上だという事も分かった。
寄り掛かっているのは、机に密接した壁だった。
――狂ってる。
男達の、バーナビーの身体を舐めまわすような視線、下卑た笑い声。
一糸も纏わない姿で、大きく脚を開かされた状態で膝を縛られて閉じることも出来ない。
両手首も頭の上で纏めて固定され、それを不特定の人数に見られているこの状況に、バーナビーは今にも狂いそうだった。
僅かなざわめきと笑い声と、複数の人の気配と、視線が。
敏感になった肌で、感じた。
「もっと喘げよ!」
音を立てて振動し続けるローターを、後孔のさらに奥に押し込められ、バーナビーはのけ反るようにして悲鳴を上げる。
「―…ぁあっ、や、嫌だ…っ」
押し込まれた異物に身をよじるとさらに深く侵入して来るそれに、バーナビーは悶える。
「振動レベル上げるぞ」
「!?、…ああ…っ」
今までの刺激も相当なものだったというのに、ローターの動きはそれよりも強力なものになる。
「…あぁ、っふ…あ」
生理的な、それから精神的な涙を零しはじめたバーナビーの目に再び目隠しを付け、男は人の悪い笑みを浮かべる。
視覚が遮断された身体中の神経が、更に刺激に集中してしまう。
「あっ、は…、あぁ…っ」
「随分と気持ち良さそうだな」
低い声が、バーナビーを嘲笑うように言った。
「ちが…、う…っ、あ…」
「何が違うんだ?」
何を思ったのか、男はバーナビーの両手首と両脚を固定していた紐を徐に外した。
肉体的には自由になっても、精神的には解放されないその身体を、男はその場に押し倒した。
机の上に横にさせられたバーナビーは、目隠しをさせられているせいで何が起こったのか一瞬理解出来なかった。
仰向けに寝かされたバーナビーの後孔のローターを、再び男の指が強く押し込んだ。
「…ぁあああっ」
丁度、前立腺を刺激する位置で振動するローターを、バーナビーは何度も何度も締め上げる。
その、狂おしい程の刺激を感じてしまう一点を突き続けるローターをそのままに、男はバーナビーの両太股の裏を掴み、これ以上無いくらいに広げさせた。
「や…、嫌…、ぁあっ!」
「脚は開くと開いただけ気持ち良いんだからな」
ローターが、くねるような動きと突き上げるような動きを不規則に繰り返しながら、最も感じる一点を刺激し続ける。
脚をこれ以上無いくらい開かされたバーナビーは、ひたすら喘いだ。
「じゃあ、一気に最大レベルまで上げるぞ」
この状況でそんな事をされたら、自分の身体はどうなってしまうのだろう。
嫌だ、と言う間もなく、バーナビーの後孔のローターは凄まじい動きを開始した。
「ぁぁああああああ……!!」
最も感じる一点を、殴るように強く刺激される。
媚薬の効果と、脚を大きく開かされているせいで、その分快感が大きい。
「あっ、う…うぁ…っ、や……っ」
のけ反り、身体を震わせ続けるバーナビーの脚を限界まで開かさせた状態で、男は再びその態勢を固定させるべく彼の身体を縛り上げた。
「も、無理……っ、ぁ、ぁあああ!」
ドクン、と身体が脈打ち、バーナビーは絶頂を迎えた。
イっている間も、ローターは動きを止めてはくれない。
「勝手にイったのか?凄く飛び散ってるぞ」
「…ふ、ぁ…っ」
周りの気配の、くすくすと笑う声が、バーナビーの羞恥を駆り立てる。
「こんな所まで飛ばして…そんなに気持ち良かったのか?」
「…あっ……あ、ぁ…」
突き上げ、激しい律動をする無機物に、バーナビーは身体をひたすら震わせる。
「気持ち良かったら、気持ち良いと言いなさい」
これは、命令だ。
単に"気持ち良いと言え"と言われているのだ。
「あ…、ぁあ……き、気持ち…い…っ」
「ハッキリ言いなさい」
羞恥に、勝手に涙が溢れてくる。
「…気持ち、…いい……っ」
「…ヒーロー様がこんなに乱れて、無惨なものだ」
言えと言ったのは向こうにも関わらず、男はわざとらしく溜め息を吐く。
それでさえ、媚薬のまわりきったバーナビーには煽欲剤にしかならない。
「…あ、あぁあ…っ、イく、イっちゃ、ぁああっ」
イった瞬間、また大勢の人の含み笑いが聞こえる。
カメラのシャッター音や、ビデオカメラが回っている音も聞こえる。
それを認識したバーナビーは、そこで正気を手放した。