「…何回も言うようですが…、他に方法は無いんですか?」
「無いな」


バーナビーがいつものように事務所のオフィスでデスクワークをしていると、名前も覚えていない上司に呼び出された。
呼び出された理由には大体目星が付く。あまり良い理由では無い。

上司の後に着いていくと、予想通り小綺麗な応接室に連れ込まれた。
それが今の状態になるまでの経緯だ。


豪華な長いソファーに腰を下ろした上司の隣に座るように促され、バーナビーは控えめに座った。

「…他の方法があるなら、なんでもしますから、」
「無いと言ったら無いんだよ」

突き放すようにして答える上司に、バーナビーは太股を撫でられた。

「……あの」
「嫌なら帰ってくれて結構だ。ワイルドタイガーを解雇するだけなのだからな」
「…っ」

そう言われてしまうと、抵抗が出来ない。

ワイルドタイガーこと虎徹は、"正義の壊し屋"という2つ名を持つ程に建物やら何やらと、やたら物を壊す。
正義のためとは言え、賠償金は払わなければならない。だが、限度の無い虎徹の行動に会社の経営費も危ないのだ。

「服を脱ぎなさい」
「…」
「早く」

命じられるままに、バーナビーは上着を脱ぐ。それでもただじっとこちらを見詰めてくる上司の様子に、一糸纏わぬ姿になれと言われているのだと認識した。

命令通りに全裸になったバーナビーの両腕を、男は背中で後ろ手に縛り上げた。

「脚を開きなさい」
「……」

言われて、バーナビーは無言で少しだけ脚を開く。
すると、男がバーナビーの両足首を掴み、無理矢理M字開脚の状態にさせた。

「……あっ」

太股を両手で押し上げ、大きくM字開脚をさせたまま、男はバーナビーの柔らかい肉棒を口に含んだ。

「あっ…、あぁっ」

舌でなめ回しながら、口全体を使って絞るように扱く。
わざとらしい卑猥な水音をたてながら、上司の男はバーナビーのそれに刺激を与え続けた。

完全に勃ち上がったそれから口を離し、男はバーナビーから距離をとった。

「脚はそのまま開いていなさい」
「……、…はい…」

ソファーに踵を置いた状態でM字に開脚したままのバーナビーの耳に、無機質な音が届いた。
正面の扉がノックされる音だ。誰かが来たということだ。

――冗談じゃない、こんな醜態を人に見られるなんて!

バーナビーは、命令に逆らえずに脚を開いたまま、上司の対応を待った。

すると、耳を疑うような言葉が聞こえた。


「開いております、お入り下さい。」


その声に、廊下から男が3人ほど入って来た。
見るからに地位の高そうな男が1人と、その付き添いであろう人が2人。

男達は、部屋に入るなり目に飛び込んで来たその淫猥な光景に喉を鳴らした。

バーナビーはそこで理解した。この人達が"お客様"なのだと。
この人達が、自分を"買った"のだと。



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