5.ギリギリ及第点ってとこだな
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眉の寄ったバーナビーの額を解し、身体をシャワーで清める。
ぐったりとしたその華奢な身体を肩と片腕で支え、空いている方の手の指で中から残骸を掻き出す。

時折甘い声を漏らすが、ぐっすり眠ってしまったようだ。

掻き出し終えたあと、自分の身体と共に浴槽に浸かる。
規則正しい寝息を近くで聞きながら、風邪を引かないように湯を彼の肩にかけた。


こういう所は、正直まだまだ子供だと思う。
与える悦楽に身悶え、打ち震え、涙を流して失神した。

まだ年若いし友達と呼べる人もいないようだし、相手がいない。だから多分彼は「初めて」だっただろう。
それなのにバーナビーは自分の加虐欲に答えた。

痛かっただろう。
苦しかっただろう。
それでも、繋がりたがった。

虎徹は、バーナビーの強い覚悟に心を動かされていた。

――ギリギリ及第点ってとこだな。

「お前も、ただのクソガキじゃあないってことだなぁ…」

それは、成長を近くで見ている者として、凄く嬉しい事だった。
しかし同時に寂しさも覚えた。
いつの間にか彼を父性本能を通して見ていた。だから少し寂しかった。
が、


「バニー、…バーナビー……」

虎徹は、腕の中で眠るバーナビーを抱きしめる。


この先、バーナビーの事は父のような存在としてではなく、恋人として成長を見ていこうと、一人心の中で誓った。

虎徹はバーナビーの首筋に唇を落とすと、恋人をベッドに運ぶべく浴槽から立ち上がった。


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お題:確かに恋だった様より、
「年上の彼のセリフ」
お借りしました。



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